『アリータ:バトル・エンジェル』、あるいは古舘伊知郎の使い方

 

 

登場人物オールCGIのアニメーションだと思っていたので、吹替版で見た。主人公だけCGIだった。全身義体(『銃夢』を知らないのでこの用語が正しいのか知らない)なので、その違和感はその違和感でありなのかな、と思った。それでも、やはり「目がでけえ」という違和感はあった。あと、義体なら義体で、肌の質感などはもっと人形っぽくてもいいかと思ったが、西暦2500年代の技術であれば人形っぽくないよ、ということなのかもしれない。でも、やっぱり、もう、作り物の義体ですよ、というのが見え見えの方が美しく見えたかもしれない。おれにスタチューフィリアだかピグマリオンコンプレックスがあるのかもしれないが(あくまで物を対象とした愛好であって、生身の女性をそう扱いたいという趣味はない)。

それで吹替版なのだけれど、一応、だれが声の出演をしているのかWikipediaで調べた。ネタバレなどを見ないように、薄目で見た。主人公アリータは上白石萌音。『君の名は。』で「声がなあ」と思った覚えはないので、問題ない。ほか、アニメで見かける名前や、洋画系らしき声優さんが演じている。悪くない。そして、古舘伊知郎、という名前があったのも見た。なんだろうか。

古舘伊知郎は、アナウンサー役だった。役、といえるのかどうか。作中の「モーターボール」という架空競技の実況だ。実況なら本業(だった?)のだから、問題ない……はずなのだが、ちょっと消化不良だった。実況が、途切れ途切れで説明的なのである。説明的なのはいいが、アクション→実況→アクション→実況みたいな感じ。古舘伊知郎なら、というか、スポーツの実況一般として、少し不自然。いっそのこと、オールアドリブで実況させて、音を絞るくらいでいいんじゃねえかと思った。そんぐらいの遊びあってもいいんじゃねえかって。……って、今、なんかこの作品の古舘記事ねえかと思ったらあったんだけど。

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「戦うホットヨガ」とか言ってたっけ? よくわかんね。なんかカットされたのかも。西暦2500年代にホットヨガねえかもしれねえし。

って、なんでこんなに古舘伊知郎の話してんだ。映画はどうなんだ、やはり日本漫画のハリウッド映画化は地雷なのか? いや、本作に関してはよくできてんじゃねえかと思った。さっきもいったけど、おれ『銃夢』知らなくて言ってるけど。バトルシーンはおおよそ最高だし、義体ならではの戦いっぷり(あそこまで身体を欠損させて戦う主人公は相当に珍しいのではないか)もよかった。ストーリーはというと、そんなに起伏もないけれど、まあいいやというか。アクション、バトル、そこんとこ。そんでサイバーパンク的な作り込み。まあ、いいんじゃないのか。そんなとこ。以上。

 

銃夢 新装版 全7巻完結セット (ULTRA JUMP愛蔵版)

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