新しい学校や会社へ馴染めない若い人たちへ

新しい学校や会社へ馴染めない若い人たちへ。これから私の書くことは読まないでください。役に立たないどころか、あなたを絶望的な気持ちにさせてしまうに違いありません。

 

はい、もう中高年しかいなくなった。それにしても、人見知りってなにが原因でどうなってそうなるんだろうな。そうなる人間と、そうならない人間がいるんだろうな。新しい学校、新しいクラス、そういうところですぐに人とコミュニケーションが取れるって、どうなってるんだろうな。まったくわからない。

おれはとにかく、四月という月は残酷な月で、いつも恐怖に怯えていたように思う。とにかく、知らない人とどうコミュニケーションしていいかわからない。まったくわからない。わからないまま中年になってしまったのだから、現在進行系だ。

幼稚園のころからそうだったし、小学校にあがってもかわらずひどかったし、中学に上がってもそうだった。大学でもそうだった。どうしてそうなんだかわからないが、とにかく人とのコミュニケーションがとれないのだ。これはもう一生物だろう。

だから、新年度を迎えて、ほぼ一ヶ月、この時期になって「なんかうまくいってないな」と思っているあなた、たぶん、もう気づいているだろうけど、一生そのままだ。あなたがコミュニティに受け入れられることは永遠にないし、あなたがコミュニケーションを受け入れることも絶対にない。そういう資質を欠いて生まれてきてしまったのだ。こればかりはどうしようもない。社会ののけものとして生きるしかない。金になる特技などないかぎり、底辺を生きるしかない。もう、そう運命づけられて生まれてきてしまったのだし、そのまま死ぬしかない。ずっと一人ぼっちだ。救いのないぼっちなんだ。かける言葉はなにもない。せいぜい、「お互い生まれてきてしまって残念でしたね」だ。

しかしまあ、これはどういうことなんだろうね。たとえばおれは双極性障害躁うつ病)という宿痾というか障害を抱えているんだけれども、こないだ読んだ本にこんなことが書いてあった。

 

 またInoueらは,JET-LMBP(The Japanese epidemiological triail with latest measure of bipolar disorder) Studyの一環としてこの併発率を調査し、双極性障害の53.2%(58/114)に不安性が併発することを見出している。この調査報告(図1)からも不安症はうつ病よりも双極性障害に多く併発することが示されている。

 不安症の内訳としては、図1に示されているように社交不安症が最も多く、以下、広場恐怖症、全般不安症、パニック症の順となるという。不安症の併発がうつ病よりも双極性障害で多いことには、双極性障害への社交不安症併発率の高さの影響が大きいことが示されており、双極性障害と社交不安症の親和性の高さが示唆される結果であるともいえよう。

「不安症と双極性障害―臨床的見地から―」坂本薫

 

おれについていえば、この併発が起こっていたということかもしれない。因果の関係はわからない。ともかく、双極性障害の人間は脳の灰白質密度が健常者に比べて有意に減少してんだ。もう脳がだめになってんだ。人見知りのそこのおまえ。おまえの脳みそももうスカスカになってるかもしれねえし、そんなもん治りはしねえんだ。すべてを、あきらめろ。おれは、あきらめた。

というわけで、内向的で、人見知りで、人とコミュニティと取れねえ人間の先行きは暗い。おれのように社会の底辺方面で、暗くて狭いアパートに独居して、休日は酒を飲みながら競馬するだけになる。もちろん、ネットでもろくにコミュニケーションなんてとれはしない。暗くて、狭くて、なにごとも自由にならず、常に不安と猜疑心に苛まれて、結局はひとりで生きて、ひとりで死ぬしかない。

とはいえ、人間、死ぬときはひとりだ。どんな人間も、自分の死は自分のものだけでしかない。心中しようがなにしようが、そういうものだ。自分の死は自分にだけ属している。そこで孤独から救われるすべはない。変なまやかしでも信じられるなら、それでもいいだろう。でも、まやかしに耐えられないから、あんたも孤独なんじゃないのか。信じるな、されば救われない。それでいい。