GREENROOM FESTIVAL '24に行ったのこと

GREENROOM FESTIVAL '24

 

心身の状態は悪いのだが、何ヶ月か前に買った音楽フェスをキャンセルするわけにはいかない。とはいえ、状態がよくないので、朝、一緒に行く女の人に「一時間集合を遅らせてほしい」と伝えた。おれから着信があったとき、「今日、行けないです」と言われるのではないかと思ったという。おれは倦怠感とくしゃみが止まらず、向精神薬と風邪薬を飲んでなんとかアパートを出た。徒歩で赤レンガ倉庫を目指した。

 

以下、見た順番にアーティストの感想を書く。演奏時の撮影などはしていない。



 

Def Tech

女の人に「Def Techはぜったいに知ってる曲が一曲ありますよ」と言ったが、ピンときてないようだった。だが、当日の落ち合ったあと、「Def Techは『My Way』を聴きたい」と言い出した。いろいろなアーティストの予習をしているうちに気づいたらしい。だが、待ち合わせが一時間遅れだ。もうDef Techのステージははじまっていた。それにしてもすごい人。赤レンガ倉庫のフェスってこんなに人多かったっけ? で、「My Way」は中盤か終盤でやった。かなり後ろのほうから聴いた。おお、これよな、と思った。

 

カレーとビール。遠くからORANGE RANGEの曲。会場はすごい人。すごい集客力あるし、盛り上がってた。

 

佐野元春 & THE COYOTE BAND

おれはとくに佐野元春について知らないが、佐野元春という存在を知っているといっていい。ステージに向かうと、45歳のおれの20歳年上の女の人が、そこにいたファンたちをみて「落ち着く」と言った。あんたの目的は別だろうが。で、佐野元春。なんかかっけえな。デビュー45周年とか言ってたぜ。しかし、代わる代わる出てくるギターがみんなピカピカですげえゴージャスだなって思った。ファンからは「もとはるー!」とかいう声も飛んで、有名な曲も聴けた。裏はラッキリだったが、まあべつにいいだろう。

 

ビールとか飲む。爪がひび割れている。

 

Hedigan’s

さて、Hedigan’s。おれの今日の一番の目的と言っていいかもしれない。SuchmosのYONCEの新しいバンド。おれはSuchmosを生で見たかったが見られなかった。そのかわりというとおもしろくないかもしれないが、Hedigan’sの曲もおもしろい。ライブだとさらに違うという。

で、今まではなかったステージ。赤レンガ倉庫の外にある出島みたいなところに早めに行ったら、リハーサルやってるの。「サルスベリ」とか歌ってて、来ていたお客さんも拍手して。おれらは端っこに座り込んでそれを見てて。

そんで、本番になったら、女の人は「私はここに座ってるから」というので、おれだけステージ前に。

でもってよ、とにかくYONCEかっけえわ。歌声も仕草もぜんぶすげえかっけえ。バイブスが至ってる。よれよれの黄色いTシャツにボロボロのデニム。でも、なんかもうオーラあるんよ。やっぱり紅白歌合戦に出たアーティストは違うわ、などと昭和のおっさんくさいことも思ったりした。声が伸びるし、なんつーの、セクシーだわ。

そんでもな、音楽はストイックというか、その調子でよ。アウトロもイントロもなく曲が続いていくから、お客さんが拍手するタイミングもねえよ。日本ダービー発走の時刻に歌ってくれた「説教くさいおっさんのルンバ」も音源とはぜんぜん違うし、かっけえし。そんで最後の曲の「論理はロンリー」も「無邪気に空見上げちゃってる」って、屋外だし、空は晴れてるし、最高だった。バンドやってんなあって感じがした。最後、音をループさせたまま帰っていくのもよかった。結論から言って最高。

2000JPY (特典なし)

 

(RIP SLYME)

順番的にはリップスライムということになる。リップスライム。おれは大好きだった。過去形になってしまう。現体制のファンの人もいるだろうけれど、おれにとってはやはりあのメンバーがリップスライムで……というところもあって。

でも、そんなんどうでもいいから聴いてみようと行ってみたら、すげえ人で、すげえ後ろの方。最初の方、初期のダンスチューンから始まって盛り上がって。そんで、最近の曲やったのかな。したら、女の人が、そろそろ移動しようと。そうなのだ、今日の一番の目的はNulbarichである。女の人はNulbarichが大好きで毎朝のウォーキングのときにも聴いている。Nulbarichを前の方で見る。そういうことで、20分も聴かないでステージをあとにした。とくに異論はなかった。いまのリップスライムとおれの知っているリップスライムは違う。

 

Nulbarich

Nulbarich。今年での活動休止が決まっている。おれたちはNulbarichを過去二回このステージで見た。この、海沿いのステージで。それでもってJQかっけえ! やっぱり曲いい! 音源とは違うギターバンドみたいなアレンジもいい! ってなって。そんでもって、無敵のJQ登場。なんか変なメガネにピンクのルームウェアみたいなの着ている。前はせめてジャージだったのに。でも、かっけえな。また、ギターとかドラムに演奏させるのを座って見てる。でも、前に見たやつよりも、ずっと曲をたくさんやってる感じ。そんでもって、お客さんを煽る。「この曲聴いたら飛ぶぞ!」いうて「STEP IT」でジャンプさせるし。そんでもって、やっぱり、「今日を最後にしばらく会えなくなる人も多いけど、また会いましょう。でも、お中元だけは送るんで住所をDMしてください」言うて。あ、ちゃんと「嘘です、送らないでください」とも言ってたわ。

まあとにかくこの日のステージはお客さん巻き込む感じが強くて、「お客さんいないのかな?」、「お父さん、誰もいないよ?」とか言って。でも、あんたの曲は歌えないから。「TOKYO」で「歌える人は歌ってー」とか言ってたけど、いや、それは無理だし。「シー、レッツ、ミー、クライ」くらいしかわからん。

Nulbarich - TOKYO (Official Music Video) - YouTube

 

そんでもね、「みんないろんな思いを自由に叫べ」って言って、「Skyline」でさ、おれはもういろんな気持ちをこめて「オ、オ、オオー」叫んだわ。ああ、よかった。

羊文学

 

Nulbarichが終わったら、次は羊文学。羊文学のステージは、Hedigan'sと同じ、外の囲いのなか。ぞろぞろと移動していたら「羊文学のステージのキャパおかしいだろ」みたいな声も聴こえる。同感。外に出たら、もうはじまっている。囲いの外から聴いているお客さんもいる。でも、ずるずるステージに向かったら入れた。かなり後方。おれの視力では「あそこにギターを抱えて歌っている人がいる」くらいの距離。

ちなみに羊文学はドラムの人が休養している。この日のサポートドラムは元CHAIのYUNAさんだったようだ。

さて、羊文学とおれ。おれのiPhoneには羊文学のアルバムが全部入っている(ダウンロードしてある?)。でも、なんかこう、とくにぐっとくるのはあの曲で……。

というのが、両方ともアニメの主題歌であって、「more than words」と「光るとき」なんだよな。で、これをこの順でやってくれて、なんというのかわからんが、おれは泣きそうになった。「光るとき」で涙が出そうになった。この日、一番泣きそうだった。理由はわからん。

 

TONES AND I

トーンズ・アンド・アイ - Wikipedia

 

羊文学が終わったら、そのまま出口から帰ってしまう人も少なくなさそうだった。が、せっかく一日分のお金を払ったのだから、最後まで居ようじゃないか。というわけで、TONES AND Iさん。今日、初めての洋楽。予習は少ししていたが、どんなものか。バンドではない。女性のシンガーソングライターだ。

と、思ったら、歌声の圧がすごい。そんでもって、ダンスの動きもきれている。ほえー。で、なんか左後ろの女性がファンらしく、すげえ声出してて、「ここがかっこいいの!」とか連れの人に言って解説してくれていた。でも、そんなにファンなら前の方に行けばいいじゃんって思ったら、前の方に行ってしまった。

MCでなに言ってるのか、正味なところ半分くらいしかわからんが、なんかチャーミングだ。でも、曲はシリアスっぽいのもあって、多彩。そしてやはり声の圧力。なんか最後もう疲れているのに、思わずクラップハンズだわ。でも、帰り道でうしろの人が話してた通り「ちゃっかりメンバー紹介のときにドラムの人がボーイフレンドだとか言わんでいいのにな」というのはやや同感。いや、どうでもいいけど。

 

というわけで、なんだ、終わってしまって関内のほうに歩いた。日本ダービー当てたんでおごりますよ、と言って、行ったさきはモスバーガーだった。トイレで鏡見て、自分の顔が泥酔者のように真っ赤なのに気付いた。カンカン照りでもなかったので、油断していた、この時期の紫外線。帽子、日焼け止め……。

でも、まあ、気がふさぐことが多いこのごろ(ここに書いていないこともあります)、ぜんぶ忘れるつもりで(忘れることはできないのですが)、楽しい一日だった。何ヶ月か前に行くことになっていたから行けた。行けてよかった。そうとしか言えない。「音楽に元気をもらった」とかいう物言いはあまりしないが、今日だけはそう言ってもいいかと思った。

 

以上。

 

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なお、過去に行ったのは秋のLocal Green Festivalのよう。