おれは5歳のころ酔っ払い運転でテネレの木をなぎ倒した

おれがカザフスタンから日本に来たのは18歳のころだった。

 

おれは15歳のころからキックボクシングをやっていた。

 

おれは8歳のころ天文学者になりたかった。

 

おれは5歳のころ酔っ払い運転でテネレの木をなぎ倒した。

 

おれは3歳のころ飲酒運転の罪で禁錮3年の刑に処された。

 

このごろの若いやつはよく区分のわからない電動の乗り物に乗る。

 

おれも乗るだろう。きっと乗るだろう。おまえも乗るだろう。

 

一万円札・大杉栄。五千円札・鈴木大拙。千円札・北一輝。

 

トンネルの向こうにはフィヨルドがあって、孤独の女王ティルピッツが息を潜めている。

 

7月になると地下アイドルが土の中から這い出てきて、そこかしこで歌い始める。

 

とくになにもないバスの終点まで乗ると、バスの運転手から「こいつは終点まで乗るのが目的でバスに乗っているな」と思われるのだろうか?

 

べつものの世界がぬるりとこの世界を覆って二度と戻らないことはある。

 

咲いた花がそのまま枯れてしまうこともある。