『センチメンタル・プレリュード』

goldhead2007-08-02

 このごろ夜おそくまで「センチメンタルプレリュード」というゲームをプレイしている。ギャルゲーというのか、恋愛シミュレーションというのか、そういうゲームだ。俺は今までにそのようなゲームを数本プレイしている。ときメモゆめりあ、あとなんか一つ。で、本作には前編にあたるようなものがあるらしい。以下の二つだ。

センチメンタル・グラフティ
十年近く前か。発売前にさんざん煽って、グッズを売って、肝心のゲームが……という作品のことは、ネットでよく目にした。
センチメンタルグラフティ2
前作の主人公の葬式からはじまるゲームがある……という作品のことは、ネットでよく目にした。

 そして、上記二作目への反発(?)として生まれたらしいのが本作。2の腹違いの弟とでも言うべきだろうか。それはともかく、どうにも人気は無かったらしい。ネットを検索してみると、どうもそのようだ。そのような作品をなぜ買ったのか。イーブックオフで文庫分二冊買うのに、送料を無料にしたかったからだ。しかし、それならば他の選択肢もあったはず。これをあえて選んだ理由はなにか。舞台が鎌倉だからだ。
 俺は物心ついたときから、四半世紀も鎌倉で過ごした。去った今でも鎌倉は好きだ。鎌倉が舞台のゲーム、やるしかない。それに、恋愛シミュレーションものだって嫌いじゃない。これが合わさったら文句ないでしょう。夏だし、恋がしたい。汚れた私生活(日記に書かない)を忘れ、夢のパライソに遊びたい。
 ゲームは至極簡単だ。ゲームと呼んでいいのかどうかわからない。とにかく、会話文を目で追って、選択肢から回答を選んで○ボタンを押せばいいだけだった。ときメモのようなコマンド類などなにもない。流れに身を任せて、文字を送っていけばいい。これが楽でたまらない。俺はもう複雑なゲームはダメだ。このくらいがいい。ゼノサーガシリーズも、こんな感じでいいじゃないか。それだったら、2のラスボス前で放棄することもなかった。
 さらに驚くべきは、画面にキャラと背景、会話文以外の要素が皆無なことだ。日付も時間も学期も季節もない。ただひたすら、ストーリーが進んでいく。エピソードとエピソードの間に何日あるのか、そんなものはいっさい提示されない。いったい、今がいつのなのかわからない。夏休みかと思ったら、何の前触れもなく学校に行く。休日の朝か、平日の朝かもわからない。そんな話だけの洪水に身を任せながら、「『マルホランド・ドライブ』みてえだな」と思う。このゲームなど、ある種の走馬燈と思いながらプレーすると、ある種の怖さがある。記憶の入れ子、円環する迷宮だ。
 鎌倉はどうだろうか。なかなかいいぞ。モデルは鎌高だろうか。小学生のころ、学区ギリギリの七里に友達がいて、なんとなくあのあたりの坂とかには覚えがある。134はよく通ったし、腰越は本当の地元だし、こないだ小動岬行ったら閉まってて、堤防の上でスケッチしたりとかしたし。ダイスケ神社ってのは佐助稲荷だろうけど、小動神社がモデルなんだな。源氏山より厳しいハイキングコースというと、天園とかか、横浜の市民の森に抜ける方か。横浜側は整備されているが、鎌倉側は荒れ放題だから、たしかに危ないところではある。あと、江ノ電は当たり前のように出てくるが、ここで湘南モノレールが無視されるのが悲しいんだよな。ま、鎌倉といっても、このゲームの舞台が鎌倉の鎌倉らしいところ。深沢のマルエツのボウリング場でデート、などというわけにはいかない。ああ、そうだ、モデルと現場あたりについては、こちらのサイト(http://www7.plala.or.jp/ironstorm/senpre.html)が参考になった。
 さて、恋愛シミュレーションなので、狙って落とすのが目的。だが、どうもヒロインキャラは好きになれない。ほかの二人のメーン級もよくわからない。そこで、下級生の中学生狙い。小町通りの甘味屋の娘。この不安定な時代、甘味処の婿になって店の後継ぎになりたい。小町通り紫芋のソフトクリームを売りたい。そう思うのって自然なことじゃないでしょうか。
 と、いうわけで、頑張って甘味屋になれた(のか?)。一回目のクリア。いつが終わりかわからなかったので、案外長く感じたな。しかし、こういうゲームって、なんか本命以外のキャラのフラグを潰していくのに抵抗あるね。悪いなって思うね。なんか俺、ギャルゲの主人公なみに優しくね? それで、二週目始めても、最初のキャラが出てくるとなんか後ろめたくて、プレイに身が入らなくね? なんか俺、ギャルゲの主人公なみにモテてもよくなくない?