広島東洋カープのファイナルステージ進出について

 広島東洋カープが二位阪神を打ち破り、CSファイナルステージへ駒をすすめた。奇妙にも下馬評通りの感がある。しかし、圧倒的な連勝だったじゃないか。
 おれはこの二試合をiPhoneradiko経由でほぼすべて聴いた。ニッポン放送。一試合目で田尾安志は言った。「FAで主力が抜けていく中でのカープの三位は優勝に値する」と。案ずるより田尾安志。いいことを言う。
 二試合目の解説は江本孟紀だった。緒戦の阪神先発が藤浪晋太郎という、ある種の奇襲について。「一位と差のついた二位、その二位とさらに差のついた三位の試合なんかに、奇襲もなにもないだろう。そんなもんエース同士をぶつけてやりゃあいいんだ」と。おれはそれにも同意する。所詮は敗者復活戦のおこぼれのようなもの。そう言われればそれまでのものにすぎない。孫ピンの兵法のごとく、強い馬に弱い馬(藤浪の実力からすればもちろん勝つ可能性もあるわけだが)をぶつけ……で二勝を拾うなんてやってんじゃないよ、と。あらためて言うが、おれは三位のほうのファンだ。
 しかし、なんであれ、そういうシステムならば、そこでやるだけのことをやるだけだ。両日ともラジオのアナウンサーは「甲子園がここまでビジターの色に、赤色に染まるのを見るのは記憶に無い」と言った。それでいいじゃないか。ついでに巨人を殺してやれ。あらためて言うが、おれは三位のほうのファンだ。

 世界は理不尽だ。そもそも野球のどこに理があるのか。三ストライクで一アウト、決められた範囲のスタンドにボールが入れば点が入る。自然法則が決めたものでもあるまい。一年の試合数、日本シリーズの試合数、人類史より前からあったものでもあるまい。あらためて言うが、おれは三位のほうのファンだ。
 だから、こうなったら巨人を屠れ。それが赤ヘルに課せられた使命だ。それ以外にない。見ろ、菊池涼介の立体機動があらゆる巨人のゴロをさばく。キラの一閃が巨人の首筋を断ち切る。あらためて言うまでもない、おれは三位のほうのファンだ。