くるり『ソングライン』全曲感想

ソングライン <初回限定盤A:CD+Blu-ray>

くるりのニューアルバム『ソングライン』が昨日届いた。昨日届いたばかりだけれども、何周か聴いた。おれは音楽の感想というものをうまく書けたことがないのだけれど(だからといって本や映画の感想がうまく書けたためしもないのだけれど)、それぞれの曲の印象を書き留めておく。

ちなみにおれは特典のライブ映像収録日(2018年3月31日)の前日の公演に出向いている。

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1.その線は水平線


くるり - その線は水平線

これは2バージョン入ったシングルも買った曲。おれは音楽の言葉を知らないのだが、合間合間のギターなどかっこいいな、と思う。セルフライナーノーツに「ハイウェイ」や「HOW TO GO」がきっかけでくるりファンになった人は好きかもしれない、などと書いてあるが、おれは両曲とも好きなのでこの曲も好きなのである(きっかけは「ワールズ・エンド・スーパー・ノヴァ」なのだけれど)。

2.landslide

これは初めて聴いた曲だろうか。アルバムに入っていたアンケートで「4曲好きな曲を選んでください」というのがあったが、おれはこの曲にひとつチェックを入れたと思う。くるりの、というか岸田繁の作詞というのは本当になにかイメージを連ねていく感じで、その実なんなのか掴みどころがないところがあって、おれはそのあたり好きなのである。

3.How Can I Do?

精度の低いおれの耳で最初聴いたとき、「あれ、佐藤さんボーカル?」とか思った。いや、違った、岸田繁voxだった。なんでそんな勘違いをしたのだろうか。聴いてみてください。曰く"「HOW TO GO」の軟弱版"らしいです。

4.ソングライン


くるり - ソングライン

これは……ライブで聴いた「ハイネケン」じゃないか。どうもタイトルにはできなかった模様。歌詞を見て「カントリー」がブラッド・エルドレッドのことだとはすぐわかったが、ファンファンが応援歌のトランペットを入れているのはライナーノーツで知らされた。おまけに「かっとばせー」とか言ってるし。しかし、「アードヴェグ」はないでしょう。「アードベッグ」でしょう。いや、ケルト語の発音だとそうだということかもしれないが、歌では「ヴェ」と発音していないようだし、まあ、どうでもいいけれど。カントリーは今年出番に恵まれていないし、シーズン最終盤の現在も投手のヘルウェグが上がってきたりしているけど、どっかで試合をひっくり返す一撃をまた見たいよな。なんであれ、エルドレッドのことがこうやって音楽のなかに残って、ずっと残るっていいよなって思った。

5.Tokyo OP

これはライブで聴いた……「東京オリンピック」! 当たり前といえばなんだけれども、やはり曲名にはできなかったようで。でも、まだ東京オリンピックの公式テーマ曲になる可能性は……あんまりねえか。かっこいいインストゥルメンタルくるりらしいような、らしくないような一曲。スポーツではないよな? と思わせて、「いや、ありかも?」と思ったのはライブで感じたのと一緒。

6.風は野を越え

この曲の歌詞に出てくる「畝」は、畝投手コーチ……ではないようで。

7.春を待つ

ライブで聴いた曲で、今回アルバムで聴いたときも、なぜか何度も聴いた曲のような気がしたのだけれど、音源になるのはこのアルバムが最初のようで。いや、セルフライナーノーツで20年前の曲と知ったから言ってるわけではなく。一回聴いただけなのに、印象の強い曲。「もともとよく出来ていた」と岸田さん本人が書いているとおりなのでしょう。

8.だいじなこと

アニメ『3D彼女 リアルガール』のオープニングテーマ。おれはいわゆる「アニヲタ」なのだけれど、このアニメはくるりが歌っているという理由で見た。最後まで見たかどうかわからない。ただ、アニメの主題歌のなかに入ると、岸田さんの声は低いなあとか思った。して、90秒の注文に90秒で応えて、ロングバージョン必要ないな、となった曲。しかし、「短いのに濃厚です」という言葉通り。今回のアルバム全曲に通して言えることだろうが、多様な音やメロディライン(?)が入り組んでいる。ただ、ほかの曲がアウトロが長かったりするのに対してこの曲はサクッと終わる。

9.忘れないように


くるり - 忘れないように

カセットテープ発売したのだっけ。スルーしたけど。そこでセットだったせいではないわけだけれど、一曲前の「だいじなこと」とごっちゃになっていた。なんとなく、タイトルと、テーマが似ているような気がしませんか。歌詞カードにない英語の部分はGo Let it Out 歌ってるのかな☆。まあいいや。

10.特別な日

おれは初めて聴いたのだけれど、ジェイアール京都伊勢丹からの依頼曲らしく、これも先に配信だか発売だかされていたのかな。「いわゆる応援ソングを書いたことがない私」などとライナーノーツで書いていますが……そうなのかな。チオビタドリンクのCM曲は……チオビタが労働者を応援しているだけか。ところで、『くるりチオビタ』買ってないな。

 

くるりとチオビタ

くるりとチオビタ

 

11.どれくらいの

これも初めて聴いた曲。失敗、すれ違い、孤独感、精神的苦痛などの曲らしいのですが、うつで落ちていた自分にはそう知ると沁みるところがないとはいえないのでした。それっぽっちで人はずれていったりするのですよ、はい。

12.News

ライナーノーツでは「2017年初旬頃に書いた、目下くるりの最新曲」とあるのだけれど、2018年の間違いではないかしらと思ったり(ほんとうにクソくだらねえところに細かいな、おれ)。これもライブで聴いたのだっけな。「親父」というのはそういうことなのかどうか、まああまりそのあたりは興味はないけれど。名曲「ピアノマン」みたいなピアノの感じ、というか曲の感じが好きだな。

 

まとめ

いや、まとめらんねえけど。なんだろうか、なにかライブで聴いた曲も多く、全体的に「新鮮!」や「おどろき!」は少ないアルバムではあった(いや、一回聴いただけで脳にしみ込んでるのはすげえんだけど)。なんというか、それほどキャッチーというのか、そういう曲は少ない。すごく変わった曲はない(「蟹」とか「Liberty&」みたいな)。けれど、本当に多彩な音で構成されていて、地味っぽい曲も複雑な色どりがあって、最初の感想は「おもしろい」だった。はたして、このアルバムが自分にとってくるりのアルバム群のなかでどのような位置づけになるのか自分でもわからないが(というかほかのアルバムも曖昧なのだけれど)、今のところは「おもしろい」というところだ。あと、Blue-rayのほうのライブ映像だけれども、「ああ、ここに行っていればおれと女が映っていて、半永久的に記録されたのかもしれないな」という思いもあり、次の日も観れた、という思いもあり。ただ、当たり前なのかどうかMCはカット、そして、この日もやったのかどうかわからないが「中目黒の桜」のパフォーマンスもカットされており、そこは現地行った人間の得か、などと。いや、あれはまた観たいな。いつか映像化されないものだろうか。まあいいか。

さて、気が早すぎるのは当然とはいえ、次はどんなので来るのだろうか。いきなりシンプルなロックを演る可能性があるのもくるりだ。そこんところがいい。とはいえ、とりあえずは中野サンプラザだな。おれ、中野サンプラザ行ったことねえんだよ。取り壊されるんだってな。行く機会ができてよかったよ。以上。

 

追記:ブツが異常にでかくてビビったのを書き忘れていた。おれはネット通販(楽天ブックス)で買ったけど、CD屋ではどんな置き方されているのだろう?