お恵みものがまた届く。なんともありがたい話である。箱を開ける。
圧力鍋ー!
圧力鍋ですよ、ねえさん、奥さん、そこのお兄さん。
いや、すごいもんもらいました。ありがとうございます。
……って、おれに圧力鍋が使えるのか? 使いこなせるのか?
というのも、会社の人が以前、結婚式の引出物のカタログで手に入れた圧力鍋を使っていたら、調理中にいきなりボカーンとなって、なんらかの部品がすごい圧力を受けて吹っ飛んで、天井にぶつかったあと跳ね返って戸棚のガラスを割った、という話を聞いたことがあるからである。
不良品だったのか、故障したのか、正しい使い方をしなかったのか(おれの想像では三番目なんだけれども)、ともかく肉や野菜が短時間で柔らかくなるほど圧力をかける器具である。圧力こそパワー!
箱をあけてみると、中には説明書兼レシピブックのほかに、警戒のビラがたくさん。なんかちょっと怖くなってきたぞ。さすがプレッシャー・クッカー。はっきり言って尻込みしたといってもいい。おれは圧力鍋の圧力を甘く見ていた。
そもそも、なんで鍋の内部に圧力がかかるのか、どういうふうにかかるのか、かかるとどうして早く、柔らかくなるのか、さっぱり仕組みがわからん。わからんのだよ。
では、なぜ圧力鍋をほしがっていたのか? それはあれだ、夏のせい、ではないな。ネットなんかの料理の記事なんかを読んでいて、簡単に、早く、おいしいものができる、みたいな、それで、それには圧力鍋を使う、みたいな、印象が、あって、その、そんなわけだ。だってその、料理に時間をかけたくない、電気代、ガス代は節約したいって、そう思うじゃないですか。煮込むのに何時間、なんてのはその両面でかなり抵抗がある。だが、圧力鍋なら……って。そんなところなんだ。
ただ、作りたい料理というのは一つ決まっている。豚の角煮、これである。豚の角煮はおいしい。しかし、スーパーの惣菜コーナーでは見かけない(あるところにはあるんだろうけど)。なので、「豚の角煮食いてえな」と思ったら、台湾料理屋にでも行って、魯肉飯を注文しなきゃならん。それが、自分で作れるならすごくいい。なんなら、角煮マシマシの魯肉飯を自分で作れるならとてもいい。おれのことだから魯肉飯ばかり食べて健康に悪そうな末路が目に浮かぶが。
とはいえ、とりあえずは豚の角煮だ。レシピブックでも「圧力鍋の本領発揮」みたいな文言とともに、一番目に紹介されていた。とりあえずは、圧力鍋の王道から入る。圧力鍋マスターへの第一歩である。マスターしたあかつきには、その、各方面に圧力をかけて、柔らかくして、食べることになる。悪くない。
あ、そういうわけで、まだ妄想しているだけですので、使ってみたらまた書きます。以上、感謝。
↓読者への圧力