おれはキムチ鍋を受け付けない体になった。理由はキムチ鍋ばかり食っていたからである。
そしておれはいま、お好み焼きへの回帰を行い、順調である。
しかし、キムチ鍋が残していったものがある。キムチの素である。
1.2kg。これの2本目の使い始めにキムチ鍋が嫌になった。捨てるなんてとんでもない。かといってガブガブ飲むわけにもいかない。どうしたものか。
……って、キムチの素なのだから、キムチを作ればいいじゃないか。おれは頭がいいのか。いいに違いない。
しかし、おれがキムチ鍋がだめになった理由に「白菜をもう食いたくない」というのがある。白菜キムチはだめだ。
が、べつそれでいいのだ。おれが好きなキムチ的なものは大根のやつ、すなわちカクテキである。幸い、今(今、といってもけっこう野菜の値段の上下動がある冬だけど)、大根が安い。おれはカクテキを作ることにした。
「カクトゥギ」の方が現地発音に近いのかもしれないが、カクテキだ。
桃屋のサイトでレシピを見る。
糸唐辛子は腹を壊すから不要。が、ハチミツがいるのか。ハチミツといえば、先日いただいたスキクィーン(ゴートチーズ)にも使うし、100円ショップのハチミツ的なものではなく、ハチミツ買うか。でも、高いしな。
と、思ったら、スーパーで特売していた。純粋ハチミツMade in China、1kg398円。一回、ハチミツ売り場に行って普通品の値段を見る。高い。とすると、あれは安すぎるんじゃないか。でも、べつにくまのプーさんでもない一人暮らしの人類に、1kgは多すぎる……。
まあ、買っちゃったんですけどね。
で、おれは大根を切った。既製品みたいな柱形にならんな、とか思いつつ適当に切った。そして、塩をまぶして10分待って、洗った。
緑色のは大根の葉っぱ。
で、水で流して絞った。が、絞るとっても大根って絞れるか。まあいいや。それで、キムチの素を投入してまぜまぜするするのだが、手がキムチまみれというのもなにかつらそうなので、ジップロック的なもので混ぜた。キムチの素はだいたいレシピ通り。ハチミツは多め。
袋がでかすぎるな……。
で、一日経った。
なんか水っぽいな。こんなもんか?
うん、なんというか、大根にキムチの素をかけた感じ。大根サラダというわけでもないが、カクテキ感が薄いといえば薄い。浸かってる感じがしない。一晩だからそんなもんか? もうちょっと染み込み感がほしい。
というわけで第二戦目。今度は大根をこういう形に細く切った。これならキムチの素が染み込むはずだ。
100円ショップで買った小さいジップロック的なものに、目分量(多め)のキムチの素とハチミツ(多め)。
一晩経って、これ、漬かってるんじゃないですか?
パクリ。
コリコリ。
……うぇぇ、しょっぱい!
辛いのではない、しょっぱいのだ。
なぜしょっぱいのか。仮説1、塩を洗いきれていなかった。もしくは染み込んでしまった。仮説2、単にキムチの素が多すぎた。
ともかく、これは健康云々よりも、味としてやばい。けれど、これを捨てるなんてとんでもない。どうしよう。
水で洗った。
したら、それなりに食べられるようになった。味はけっこう染みている。さらにハチミツをかけた。「塩を入れすぎたから砂糖を入れてカバー」というのは漫画に出てくる料理下手描写にありがちだが、まあやってしまうよな。
というわけで、反省点。
- 大根は薄く切りすぎない。
- 塩はしっかり洗い流す。
- キムチの素の分量は守る。
これで第三戦目に挑む予定である。そして、他の野菜なども漬けてみてもいいだろう。おれはべつにキムチを嫌いになったわけじゃないのだ。