YouTuberとかのせいで他愛のないいたずらもつまらないものになっていく

こんなニュースがあった。

gigazine.net

まったくどうでもいい、しょうもない、くだらんいたずらだ。「あー、ばかばかしいわー」と思う。あるいは、その感情すら抱けないかもしれない。

でも、たまにこういういたずらでちょっと笑っちゃったりすることもあるだろう。橋桁にセンスのいい落書きを見つけることもあるだろう(グラフィティを肯定的に言うと、烈火のごとく怒りだして「おまえの家が落書きされろ!」という人も少なくないけど)。もちろん、このHOLLYBOOBに笑ったっていいんだ。センスも人それぞれだ。京大の折田先生像とかいうのもあるだろう。

まあ、他愛のないいたずらだ。文化財に修復不可能な傷をつけたわけでもないし、人間が怪我をしたり、死んだわけでもない。このくらいのいたずら。まあ、ちょっとした軽犯罪として逮捕されて、警察官からお叱りを受けて、一晩くらいブタ箱に入れられて、いくらかの罰金を払って、まあそんなところでいいんじゃないのか。

だからなんというか、おれが言いたいのは、こういうくだらないいたずら、他愛のないいたずらが社会から完全に抹殺されるのは、おもしろくねえな、ということだ。

日本くらいの国、といってもおれは世界をよく知らないのでどのくらいの国なのかわからんが、まあなんか法がそれなりに行き届いていて、都市もわりと整備されているような国、けっこう管理が行き届いている国、そんな社会、都市。

そこに、たまになんかちょっと異質なものが紛れ込む、ハプニングっぽいものが起こる、そんなことがあってもいいだろう、と。それが徹底的に排除された国は、まあグラフィティに烈火のごとく怒る人にとってはユートピアかもしれないが、おれにとってはディストピアかな、というところだ。

……とか、思っていたんだけど、上の記事読んでたらYouTuberが絡んでいるというか、首謀者というか、そうみたいなんだよな。そうすると、なんかおれの「たまにはちょっとくだらんいたずらもいいよな」という気持ちがしぼんでいくのを感じるのだ。

炎上、売名、閲覧数アップ、高収入ゲット……。金の匂いがするのがつまらんというか、巨大企業のプラットフォームに取り込まれているのがつまらんというか、資本主義の管理の中でやってんのかよ、というか。あ、一応「乳がんの啓発……」みたいなことを言ってるけど。

まあ、バンクシーを引き合いに出すまでもなく、グラフィティみたいなものも資本主義の中に取り込まれて、金とは無縁じゃなくなってるし、そういう意味ではYouTuberとなにが違うんじゃ? と言われたら答えようもないのだが、なんというかね。

なんというか、ちょっと人を面白がらせてやろうというだけの、他愛のないいたずらが、権力による予防、規制、排除ではなく、そういう方面によって駆逐されていくとしたら、それはそれでつまらんことよな、と思うのよな。

これ、たぶん、本当に真面目な人(グラフィティに烈火のごとく怒る人とか)にはまずわかってもらえない、不真面目な人間のどうでもいいお気持ちなんだけど、なんかちょっと書き留めておく。

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