バンクシー監督『Exit Through the Gift Shop』をみる

こないだバンクシー展(非公式)に行った。わりとおもしろかった。

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わりとおもしろかったので、バンクシーの映画を見てみた。

 

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(字幕版)

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(字幕版)

  • 発売日: 2016/11/11
  • メディア: Prime Video
 

バンクシーの映画である。バンクシーが監督ということである。バンクシー自身の活動を撮ったのかといえばそういうわけでもない。ロスで服屋をやっているおっさんが主人公だ。フランス出身のおっさんは四六時中ビデオカメラを手放せないというオブセッションの持ち主だ。そのおっさんがフランスに帰ったら、親戚にグラフィティー・アーティストがいた。そいつを撮ってるうちに、いろんなグラフィティー・アーティストと繋がりができて、彼らの活動を撮影するようになる。犯罪行為に同行するのだからスリルもある。おっさん、夢中になる。夢中になるうちに、シェパード・フェアリーなどの有名な(おれはLevi'sとobeyのコラボを持っていたりするので有名なのだろう)アーティストとも付き合いができる。

が、ひとつピースが欠けている。バンクシーだ。グラフィティー界の人たちもバンクシーは知らない、連絡がつかないという。が、ふとしたきっかけからバンクシーと出会うことになる。そして、バンクシーもおっさんをなんとなく憎めないやつだと思って、条件付きで撮影を許す。ときにはおっさんは助手にもなる。

バンクシーはグラフィティー・アートという一過性のものの記録も必要だと思い、おっさんに「映画にしたらどうか」と持ちかける。おっさんは撮ったら撮りっぱなしで、見返しもしない。それでも、無茶苦茶な切り貼りで完成させる。これがとんでもなくひどい出来だった。ゲー。それでバンクシーは、「今度は自分でアートをやったら」みたいにもちかける。

そうしたらおっさん、その気になってグラフィティー・アートをはじめる。いろんな有名なやつのやり方を見てきたから、なんとなく勝手はわかる。そしてついには「ミスター・ブレインウォッシュ(MBW)」と名乗り、家業を畳んででかいビルを借りて展覧会を開催する。シェパード・フェアリーやバンクシーにも推薦をもらったりする。とはいえ、小さなギャラリーでの展覧会の経験もない。グラフィティー・アーティストとして名が売れているわけでもない。それでも、ぶちかます。さて、どうなるのか……。

その先はこの映画をみてもらいたい。おれは結構おもしれえと思った。なんというか、ブリテン野郎の皮肉が効いてる映画だ。虚々実々だ。そして、バンクシーが言う通り、バンクシー自身よりおっさんがおもしろい。ウッキウキのおっさんが見たければこの映画をみるべきだ。そんなところだ。

 

 

↑このデザインが入ったデニムを持ってるけど、これがアンドレ・ザ・ジャイアントだとはこの映画をみるまで知らなかった。