映画『TENET テネット』ネタばれ感想(を読んでから映画に行くべきか?)

映画ポスター TENET テネット クリストファー・ノーラン/インテリア アート おしゃれ 約69×102cm /フレーム別/ADV-両面 オリジナルポスター

え、クリストファー・ノーランの新作なんかあるんですか? という感じで、急に『テネット』の存在を知った。そんじゃあ見に行くか、せっかくだからIMAXで、ということでのこのこと横浜ブルク13へ。客の入りはというと、おれが行った回は微妙に遅くて中途半端な時間だったせいもあって、「座席半分制限でも全員入れたかな?」(先週末から全席開放)というくらい。上映前に映画館の人が肉声で「飲食は飲み物のみで、食べ物はだめです」というような説明をした。おれは映画館での飲むは必要だが、食うは必要なのか?(映画館の経営にとっては必要らしいが)と思うタイプなので、それはいいと思ってしまった。そして、上映前なんか支配人が出てきて物販の宣伝とかするジャック&ベティを思い出してしまった。

で、『テネット』の話をする。ネタバレを含んでいるかもしれない。いないかもしれない。そして、「無知は武器」というが、それなりに詳しい解説が載っているパンフレットや巨大掲示板、他人のネタバレ感想を読んでしまった上でのことで、おれオリジナル、おれフレッシュのおれ感想ではないことを予め申し上げる。

……などと申し上げておこうかというくらい、「難解」、「わかりにくい」、「美しい剣は人と人をつなげるのか」などという前評判を見た。というか、評判を見た。「ひょっとしたら久々の全寝落ちか?」というのも覚悟していた。

が、「退屈で寝落ちは勘弁」という人にとりあえず言いたいのは、寝ている暇がないくらい展開は目まぐるしく、アクションはゴージャスだぜ、ということだ。雰囲気で見ていても、カーアクション、ジャンボジェットアクション、逆順アクション、ヒロインの背の高さに飽きることはない。

いや、エリザベス・デビッキという役者さんをたぶん初めて見たのだが、ボディーガード役との身長差に「?」となってしまった。ボディーガードがちっちゃい? いや、この人でけえんだ。いや、たいへん美しい人なのですが、Wikipediaによれば191cmとのことで、もしお会いしたらチビのおれはすごく見上げて話さなければいけないだろう。会うことないと思うけど。

というわけで、エリザベス・デビッキさんの背の話をだらだらしているということは、本題に入りたくないのだろうと予測した人いるとしたら、まあだいたいあってるといっていい。

主人公は名無しだ。いきなり「アメリカ人を起こせ」で起こされて、いくつか用意されていた中から、テロの現場に最初に駆けつけた地元警察かなにかの組織のワッペンをつけて現場に突入(その「それらしさ」はすばらしい)。そのあと……なんだっけな。

なんかちょっと文句を言わさせてもらうなら、ちょっと思わせぶりながらそうでもない登場人物というのが面倒臭さに拍車をかけている。最初に時間の逆行を解説する博士や、ブルックス・ブラザーズディスる英国紳士スパイとか。まあ、いいか。それでも、な。

ともかく、この作品の主要なテーマというかベースは「時間」にある。タイムトリップとはちと違う。回転ドアをぐるりと回ると、その時間から逆行できるのだ。そして、過去の自分や仲間に未来を伝えることもできる。息を吸うと吐いてしまうという理屈(?)によって、呼吸も困るが(ならば最初に息を吐けばいいのではないか)、活動もできる。

未来に進む時間はおそらく一本線だ。マルチバース宇宙論を採用している感じではない。あるいは、多元宇宙が生まれていたとしても、そこは描かれないといったほうが正しいだろうか。映画内では「祖父殺しのパラドックスだ」で片付けられている。

でも、その一本線がむずかしいのだな。順行と逆行が入り乱れるのよ、映像的にも。そこんところがなんかすげえと思う一方で、「なにが起きてんの?」という疑問がちょくちょく頭をよぎるのは避けられない。

だが、なんとなくでいい、雰囲気でもいい、大きく育ってほしい。だってぼくらは「ぼく、桃太郎の何なのさ」や、狂気をはらんだ時間SF「ドラえもんだらけ」を読んで育った世代じゃないか(いや、だれらだよ「ぼくら」って)。それにおれは雰囲気でグレッグ・イーガンだって読める男だ。まけるわけにはいかない。

そんでも、おそらくは本作で一番エモい部分であるニールの行動などは、はっきり言ってピンときていなかった。それと、いろいろなところで言われている、主人公がその、組織的なものの創始者、ボスであったということについて、あまり納得はできていない。セリフしっかり読んでなかったかな? 少なくとも、ニールを巻き込むくらいの一員ではあるのだろうが。

と、「おい、そこだろ」というところをおれは逃してしまったのかもしれない。まけてしまうとはなさけない。そう思うと悔しい感じもするが、でも、知らないで終わるよりはいい。そして、「知った上で二度目をみる」という選択肢も残されている。ま、ドンパチには満足したので映画館でなくてもいいかと個人的には思ってしまっているのだけれど、行きたいやつは何度でも行けばいいさ。そのたびに発見があるとは言えないけれど、「あ、これネタバレ感想で見たやつだ」と思うのもいいだろう。あるいは、自分のなかで気になっていたこと(「あのストラップかなり前半で出てきてたよな」とか)が解決するかもしれない。いけ、取り組め、たまにはそんな映画もいいだろう。え、いいんじゃねえの。しらねえよ。そんじゃ。

 

出演者も台本渡されて「なにこれ?」ってなったらしいので心配するな。

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……15年前の感想文が出てきたが、たぶんこのころのおれはクリストファー・ノーランという名前も知らなかった。しかし、『テネット』もいずれテレビでやるのかね。ワイプで時間軸の説明とかするのかね。

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……おれが「映画館で完全に寝落ち」というとこの映画のことなのだけれど、クリストファー・ノーランだったか。

 

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ダンケルク』はお気に入りらしい。