ロシア映画である。ニキータ・ミハルコフが製作に名を連ねている映画である。そして、戦車映画である。
戦車映画、というジャンルがあるのかどうかよくわからない。「潜水艦もの」というものはあるような気がする。まあともかく、これは「戦車もの」である。
主役はというと、タイトルの通りT-34である。ドイツが捕虜にした戦車兵を標的に演習をしようとしたところ、そのT-34には実弾が密かに持ち込まれていて……という逃走劇である。
ドイツ軍が間抜け、というあたりはアメリカ映画でもロシア映画でも共通しているのだろう。敵タンクエース(エースなのかどうかもわからないが)も、見た目と雰囲気だけで、すごく冴えている感じではなかった。
戦車同士の市街地戦、そして一騎打ちなどとなると、もうこれは『ガールズ&パンツァー』を思い浮かべずにはいられなかった。仕方ないだろう。
ただ、アニメとは違い、この映画のT-34は実車である。実車のT-34がベンツを蹴散らす、壁を崩す。すごい。しかも、俳優が実際に操縦しているという。なんだそのこだわり。
おれは戦車が実弾をぶっ放すところを自衛隊の総火演で聴いているので、家のテレビで観るぶんにはその迫力は感じられなかった。当たり前か。スローモーションの砲撃描写はわりと好きだったが。
バス停にT-34が来るところとかはなんかよかったな。
ロシア人にとってT-34はそういう兵器なのだろうし、イギリス人にはスピットファイアがそうなのだろう。アメリカ人にとってはなんなのだろうか。M4なのか。
負けた方の日本人にとっては零戦であり大和かもしれない。ドイツ人はどうなのだろう。ティーガーなのだろうか、メッサーシュミットBf109なのだろうか。
いずれにせよ、こんな映画はロシアにしか作れないような感じもするし、ドイツ映画でパンターが大活躍する作品も作りにくいだろう。こうなったら続編でKV-2が街道の悪魔になる映画なども作ってもらいたい。砲撃音が実際のものに近ければ、おれは映画館に行くかもしれない。
映像特典で「上坂すみれが紹介する本作」の予告編が入っていた。まあ、なっとくの人選だろうか。
そんなところ。
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『鬼戦車T-34』はまだ観てないです。