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 テレビでの鑑賞。潜水艦映画にハズレ無し、などと言われるが、結論から言えばこれもハズレではなかった。潜水艦映画の醍醐味といえば「パイプから水がバシャー→バルブを回す」に尽きるわけで、潜水艦の仕組みについてはわからないけど、そのギミックが満喫できたのだ。
 冒頭部分はお好み焼きを作っていたのでよく見ていないが、映画はほとんど潜水艦内で進む。おそらく、潜水艦という密室・極限状態に観客をのめり込ませるために、あえて敵艦からの描写を省いたんだろう。ただ、心理戦という側面から、追う駆逐艦からの視点があってもよかったかと思う。要するにキャラの立ったライバル。これはどっちを取るかだから、中途半端じゃないのはよかったな。
 あと、偽装ドイツ艦として、本来味方である連合国軍に追われるという展開になると思いこんでいたので、ドイツ駆逐艦との戦いだけで終わったのは、やや拍子抜け。連合国とドイツ軍に挟まれて、いつ真相を明かして逃げ切るか、みたいな。まあ、史実が元というから限界があるか。如実に不満だったのはラストシーンで、ナレーション的でいいからその後の戦局とか、戦後の話でしめて欲しかったと思う。