喫煙者は劣等種

自殺者:ニコチン濃度高く 解剖例調査で判明
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041017k0000m040113000c.html
 今の世の中煙草は悪者の代表格だ。ついに「自殺の引きがね」にまでされてしまった。しかし、新聞には毎日のようにどこぞの研究室の調査結果が載るものだが、どこまで信用していいものか。上の記事にしたって、その他の喫煙者五人に、死ぬ前に一服する暇がなかったというだけじゃないか。ああ、俺だって死ぬのがわかっていたら最期に一服するだろう。ただ、一つ問題がある。銘柄に悩んでしまうのだ。
 自分が生まれてはじめて吸った煙草はキャビンだった。灰皿がおまけにつくキャンペーン中だったから。その後、はじめてメーンの煙草にしたのはジタン。フィルタ付きの長いやつだ。その頃F-1にはリジェというチームがあり、そこに描かれたジタン・ダンサーの姿がかっこよかったのだ。煙草の宣伝が青少年に影響を与える?たぶんそれは本当のことだな。しかし、甘ったるさが好きだったジタンは姿を消す。発売終了。そこで代わってチョイスしたのは悪名高いJOKER。茶色くて細長いやつ。ニコチン・タール量は半端じゃないし、細長いから吸い終わるまで時間が保つ。コストパフォーマンスも抜群だ。
 しかし、そのJOKERもやがて姿を消してしまう。こんなに短い期間に、二つも愛する銘柄が無くなった喫煙者は俺くらいじゃなかろうか。で、JOKERが消えてどうなったか。特に銘柄も決めなくなり、喫煙量もかなり減った。やがて、煙草の煙が嫌いな人を好きになって、ほとんど吸わなくなってしまった。
 それでも、部屋には必ず煙草が一箱ある。一日か二日に一本は吸う。煙草は、慣れない大学へ行くときも、初めての競馬場へ行くときも、いつも一緒にいた心強い友達だ。そんな彼らが迫害されるのを見るのは忍びない。俺が最期の一服をするときまで、煙草がこの世からなくなりませんように。