さよなら、シーツ先生

http://www.sponichi.co.jp/osaka/base/200411/10/base172428.html

ウッズ争奪戦から撤退した阪神が、今度は広島を退団したアンディ・シーツ内野手(32)に候補を一本化する

 シーツは今年広島でプレーしたこと自体が意外だったので、退団の衝撃は少ない。むしろ、岡田監督の言うとおり「今年はラロッカが目立っていたから、あまりよく見えなかったけどね」というのが正直なところ。頼みの守備もちょっと翳りが見えていたようにも思う。
 けれども、シーツはナイス・ガイでジェントルマンだった。初めは打力がないので八番打者、なんて言われていたのに、四番まで打って頑張ってくれた。広島東洋カープに所属した偉大な助っ人たちの一人だと言っていいだろう。カープに金さえあれば、若手の良きお手本としてまだまだ所属していてほしかった。将来、指導者になりたいというようなコメントもあったはず。その時は、ぜひ赤ヘルの指揮をしてはもらえないだろうか。今、広島で現役の選手の誰よりも監督向きのような気がするのだ。
 しかし、来季広島のショートはどうなるんだろね。岡上が第一候補というが、問題は岡上一人が本格化するかどうかではない。とにかく層の薄さは危機的なのだ。今年のドラフトでは投手と捕手しか獲らないというが、それならばトレードでもトライアウトでもいいから、絶対に内野手を補強すべきだと思う。
 自分は野球の戦力を考えるとき、それぞれのポジションに「穴」があるとまず考える。そして、その穴にそのポジションをこなせる選手を積んでいって、やがて地表に出て山になる。山をつくれるのはよほどの選手だ。で、今のカープのショートは、残念ながら全部積んでも地表にも達せていない、そう見えて仕方ない。