音楽のつつましいつながり

 前にラジオで聴いて気に入ったYUKIのシングル「JOY」。発売日になったところで、毎日の行動範囲に無いCD屋にわざわざ行くのは面倒だ。ということで、Amazonで予約しようとアクセス。すると、こんなレビューが載っていた。
ASIN:B0006VL99O

スウェードとかフランツ・フェルディナンドが好きな人は好きな曲かもしれませんね。

 これにはびっくりした。スウェードは俺の好きなミュージシャンの筆頭格だからだ。かといって、俺は「JOY」という曲にスウェードのスの字も感じ取れなかったからだ。で、ますます買わなきゃということで、ご予約成立。
 そして、その後ダラダラあるサイトを見ていると、「パクリ 偽物 紛い物」が話題になっており、「YUKIの新曲」に関する記述にぶち当たった。

http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/ES/YUKI/ESCL-2618/1/movie.asx
てっきりカバーだと思ってたんだが、まさか新曲だとは思わなかった。
(1月12日(水)13時07分42秒)

何かの曲に似てるけど、それが何か分からない
(1月12日(水)13時20分38秒)

くるりのワールズエンド・スーパーノヴァ
ってマイナーだからくるりファンにしか解らないか。
http://smil.jvcmusic.co.jp/naviram?cd=SE9-14379&sid=ATVE
試聴はRealaudioしかねーや。
(1月12日(水)13時43分51秒)

 いや、これには自分の音楽的な勘の鈍さというか、率直に音痴というか、そういうものを、あらためて認識するに至ったのである。だって、くるりのその曲にはこんなことを書いたのだ。
id:goldhead:20041006#p3

ワールズ・エンド・スーパーノヴァ」をラジオで聴いて、とにかく頭にこびりついてしまったものだから仕方ない。ミニ・アルバム買った後もその曲ばかり繰り返し聴いていた。

そして、YUKIの方は、
id:goldhead:20050106#p5

この曲はそのノリに不思議と乗せられてしまう感じで、私の中では、一曲だけ繰り返して聴きたくなる類のものである。

 ……こんな風に書いておいて、俺は「JOY」の中にくるりのくの字も感じ取れなかったのだ。それを、ちゃんと聴く耳を持つ人が聴いたら、「カバー」とまで言う。いや、このコメントを書いた人が聴く耳を持つ人かどうか、俺などには保証できないし、そんなに似ているのかどうかあらためて確かめたわけではないから、なんとも言えないのだけれど。ただ、二つの曲が似ていると指摘する人が居た、ということだ。
 というわけで、酷い耳を持つ俺の、とりとめもない音楽の趣味に、ある種の一貫性というか、繋がりが見つかったという話である。俺はこういう発見を嬉しく思うのだ。
 ところで、世の中には「パクリ」とかに敏感な人もいるけれど、俺は対して気にならない。たしか、澁澤龍彦の本にこんな記述があったと思う―「オリジナリティなど犬に喰わせておけ」と。