【Amazon.co.jp限定】thaw [CD] (Amazon.co.jp限定特典 : 特製ジップ付ビニール袋 ~Amazon Ver.~ 付)
- アーティスト:くるり
- 発売日: 2020/05/27
- メディア: CD
おれはおそらく、くるりのアルバムをすべて持っている。くるりはおれにとってナンバーワンのバンドかといえば、そうではないのかもしれない、と、思ってきた。
くるりについて最初に書いたのは15年前だ。15年経って、おれのナンバーワンのバンドはくるりじゃないかと思い始めている。そのなかには、おれ以外の要素、すなわち、20年上の女がおれが紹介したくるりにおれ以上にはまったということもある。女がいなければ、おれはずっと「ワールズエンド・スーパーノヴァ」ばかり聴いていたことだろう。
して、『Thaw』である。このアルバムには、通常のバンド活動におけるニュー・アルバムでは「ない」という特徴がある。新型コロナウイルスの流行によって中止になったツアーの代わりに、未発表音源をかき集めて作ったアルバムなのである。もちろん、おれは女の誘いによってライブに行くはずであった。そして、さらにもちろん、「やっぱりこの時期には無理だろう」とも思っていた。
さて、このアルバム『Thaw』はどうであったか。いきなり話はUKにとぶが、おれはSuedeというバンドの大ファンである。洋楽でいえばナンバーワンなのである。そのSuedeのアルバムに『Sci-Fi Lullabies』という作品がある。これは、シングルのB面ばかり集めた二枚組のCDなのだけれど、これが非常にすばらしかった。新曲を集めたものではない、寄せ集めなのだけれど、ひょっとしたらSuedeで一番いいアルバムかもしれないと思うくらいのものだ。
で、おれはそんなことを思い出した『Thaw』なのだけれど、そこまですごくねえな、というのが正直なところだ。その時々のくるり、という感じはするのだが、それでもって、すげえな、というところはあまり感じなかった。おれは音楽のことはよくわからないので辛口なところは辛口だ。
ただ、一曲目の「心のなかの悪魔」はライブで聴きてえなあと思う曲だった。そんなところだ。そんなところで、くるり最新体制、全力投球のアルバムを心待ちにしている。そのアルバム収録曲をひっさげてのライブを、ライブを心待ちににしている。