関内の空、ぬらりと飛行船

 関内の雑居ビルが林立する狭い空のすき間に、ぬらりと飛行船の尾っぽの行くのが見えた。曲がり角まで行って向こう正面を見やると、小さな地上の者どもなど我関せずと、すき間からすき間へ消えて行った。
 飛行船が毎日空を行く毎日になるならば、たとえそれがビッグブラザーの監視であっても僕は受け入れよう。