らくらく痩せる☆彡強迫性障害ダイエット

※タイトルは釣り。素人にはおすすめできない。お前はお前の医者に行け。
※承前:-いかにして僕は心配するのをやめたか - 関内関外日記(跡地)
※2013年追記:一年くらい経ってから「双極性障害じゃね?」ってことになったので、タイトルには偽りありかもしれません。

患者の極端な食事制限や、過度な量の食事の摂取などを伴い、それによって患者の健康に様々な問題が引き起こされる。主に拒食症と過食症の総称である。人間関係の問題などの心理的ストレスに対する耐性不足や、社会適応性の未発達、コミュニケーションの不全などが原因とされている。依存症の一種である。

摂食障害 - Wikipedia

 「体調はよかったんですよ、7月くらいからダイエットはじめて」
 「どのくらい痩せたの?」
 「今52kgくらいで、だいたい一番のときに65kgありました」
 「ええっ、それは摂食障害って判定されるレベルの減らし方なの!」
 「えっ」

よって拒食症、過食症を区別する指標は、基本的には正常最低限体重を維持しているかどうかのみである。

摂食障害 - Wikipedia

 えっ、先生、身長160cmで56.3が標準体重、DSM-IVの診断基準の0.85かけても47.8kgくらいで、そこまで行ってないですよ? ……などということはその場で知る由もなく。
 「昨日も気分がよくなるかと思って走ったんですけど」
 「ジョギング、ダメ、絶対」
 「えっ」

摂食行動以外にも、抑うつ症状や自傷行為・アルコール乱用、社交不安障害や強迫性障害などの不安障害、人格障害による精神症状を合併することも多い

摂食障害 - Wikipedia

 ……というわけで、俺はうまれてはじめてメンヘルなクリニックにプリントアウトして(していないが)行った。なぜならば、その日の朝のことであって、寝起きがよかったためしというのはあまりないのだが、心臓を鷲掴みされるような動悸、発汗、おでこの奥行きに詰まったような四角いコンクリート板みたいなの、そしてなにより、身体がアホみたいにゆっくりしか動かない。動かせない。スローモーションのパントマイムみたい。なんかこう、振動を加えると心臓がこわれてしまうような心持ち。もっとも、こんなことは前にいくどもあったが。

 一時期寒くて春遠のいて鬱々たる気持ちに陥ることならないで済んで快適の三月を送っておりましたが、そろそろ年貢の納めどきとばかりに気温上昇しこの赤肉団の腐敗性いかんともせず、眇眇たる我が身この三月渺渺荒野の真っ只中でそろりそろりと歩かねばなりません。肝要なるは不要な上下動を心の臓に伝わらせぬことにほかならず、映画でニトログリセリンを運搬する登場人物の心持ちで細心の注意をもってコンクリートの道をアスファルトの道を石の階段を二本脚交互に歩かねばなりません。ともすれば滞る呼吸もこまめに行って大きなため息で心臓を刺戟してはいけませんし、ちょっとした呼吸の乱れは心臓をふるわしますし、私の目や鼻や口や耳や皮膚という皮膚を出入りする何かにもやらにもぴちぴちと動かぬよう御願いせねばなりません。

ひょろっと歩くとびりっと破けますので - 関内関外日記(跡地)

 だいたい春になると発症する春病である。正式な病名があるとしても知らない。いや、ともかく、なによりスローモーション級というのはおかしい。今までにない。俺はもう限界だと思った。いや、お前、死ぬことに決めたとか言ってたじゃん? って、そうなのだが、それ以前なのだ。なんというのだろうか、熱発や筋肉痛でないのに、身体がコントロールできんのだし、早い話がほとんど動けない。少し寝れば戻るかと思って会社に「急に疲れたので」とメールを送ってベッドに戻って、それで二度寝して起きても変わらず。
 それでもう、なんだこれ、医者、医者行かなきゃいけない、これは医者に行くべきレベル、なぜならば、俺はもう引っ越しを決めてしまって、引っ越ししなければいけないからだ。立ち退き当日、ゴミ部屋にスローモーションで動くキチガイ、悪くないが、悪すぎる。それはかっこよくない。それで、iPhoneでここらのメンヘル病院検索して、いくつかは休診日、二つは「初診の方は早くて来週になります」、そして最後に「今日のちょうど午後あいてます」。「行きます」。

摂食障害になる心理学的背景として以下のような説がある。

  1. 親との不良な関係、2〜5歳児期の人格基礎形成期に欲求5段階の安全安心の欲求、愛情や所属の欲求が+満たされず、間脳視床下部食欲中枢に障害が起きているという説
  2. 対人関係の恐怖からの代償行動説
  3. 「女性性の拒否」による代償行動説
  4. 肥満への恐怖からのダイエット・ハイ
  5. ストレス説(結婚生活のストレスや複雑人間関係、深いトラウマ含む)
  6. 遺伝説
摂食障害 - Wikipedia

 なんとかシャワーを浴び、脳内のセロトニンをどうにかするおまじないをして、パーキンソン病だった祖父のような足取りで向かったのだ、会社に。それで、会社で、「脳というか心にガタが来て身体が動かない、もとからあった自殺願望も強まったので、夕方に予約したメンヘル病院に行く」と宣言して、普通に仕事するなどした。
 正直、そういった病院に行くには抵抗があった。行ってみて「お前みたいななんでもない健康体のサボり志向、怠け者、なんちゃって欝、似非メンヘラー、そんなのが来るところじゃないよ」と言われたら、立つ瀬がない感じがしたからだ。いじめを先生に相談するかどうかという瀬戸際に近い。しかし、一方で、「お前はすごい病気の塊だ」となったら、俺の人生はなんだったんだろう? みたいなところにもなる。小学生の頃から病院行ってりゃ、博士くらいにはなれたのか? 国策企業の社員になれたのか? と。

典型的なANの患者では、体重を落とすために始めたダイエットで達成感が得られ、体重を落とすことを止められなくなってしまう。低体重であっても自分の体重を多すぎると感じ、さらに体重を減らすことを望む。鏡を見ても「まだまだ痩せられる」と感じるのみであり、体重が低すぎるとは考えない。

神経性無食欲症 - Wikipedia


 まあいい。それにしても、ダイエットをして、「それだ!」的な指摘をされるというのは、恥ずかしながらまったく想像していなかった。「それか?」と思った。なるほど、急激な体格の変化で扁桃体だかがおかしくなって、自律神経がやばくなるとか、よう機序はしらんが、そういうことはあるかもしらん。しかし、俺は、完璧に、健康にダイエットしてきたのだし、カロリーもきちんと計算してるのだし、小腹が減ればオフィスグリコで菓子買って食うし、たまの飲みなどあれば抵抗感もなくすき焼きバクバク食ったりしたんですよ。ジョギングだって、まあランニングというくらいの強度にはなったけど、毎日毎日走ってないし、寒くなってきて回数減ったし、足痛けりゃ休むし、理由つけて休むし、身体動かすの楽しいし。いや、「普通はできないよ!」っておっしゃいますが、なんつーか、できねえ人のほうがおかしくないっすか? 痩せたきゃ食わなきゃいいだけだし、食わないという行動ができない理由が俺にはまったくわからないんですよ。なんかこう、痩せられないとかいう連中は人付き合いとか多いリア充だからじぇねえかって、そんなエントリー書こうかと思ってたくらいで。
 とは、言わなかったが。つうか、ダセーな、俺、そうか、自分程度でまったく認識できない(正直、今も)ところが、「病的」なのか。

ANは、精神神経疾患の中では、致死率が高い疾患のひとつであり、最終的な致死率は5%-20%程度である。主な死因は、極度の低栄養による感染症不整脈の併発である。患者は自己の体重が減少することに満足できるため、自殺が死因となることは神経性大食症(過食症)と比較して少ないが、 抑うつ症状を伴うこともあり、自殺企図をきたす症例もある。

神経性無食欲症 - Wikipedia

 え、自傷経験? あるある。痩せていくのが希死念慮に関連ある? あるある。直結してる。このところは餓死の想像ばかりしてたし。

55分で8.5km前後走る。自宅アパート近くでGPSが利かない。俺は今、本牧山頂公園にいるらしい。体重は52.4kg。90日前比較で12kg落ちている。体重が0kgになって空を飛ぶまで粛々と走る。

Twitter. It's what's happening.

だいたいもう、生きているために毎月毎月金を払うのも嫌になってきたし、金を払うに値する人間とも思えない。自分に餌をやるのももううんざりしている。

引っ越すべきかどうか - 関内関外日記(跡地)

 文学部? なんでわかんの? 慶応中退の原因がドラッグ? 言われてみたら、そんな見た目かもしれないけど、いや、違いますよ。そんな調査ありましたね。でも、薬物へ惹かれるところはありすぎる……。カフェインとか食い過ぎて死にかけたりしてるし、まあ正直海外から個人輸入で合法的な食べ物を買ったりもしてますよ(←これは告白するべきだったか)。

  • 対人関係の障害:原因なのか結果なのかは不明であるが、対人関係に障害を有する症例が多い。
  • 完璧主義・強迫性も、AN患者においてしばしばみられる。
  • 嗜癖(依存症)としての要素:ANの初期に、摂食量を制限して体重が減るという結果を得て満足し、更に摂食量制限にふけり、独特の気分高揚を示すことがある。この心性は薬物依存やギャンブル依存などの嗜癖行動との共通点があると言われている
神経性無食欲症 - Wikipedia

 まあしかし、はじめてのこういう病院だ。ときおり、統合失調症とか、詐病ジャンキー疑惑のジャブも飛んでくる。意図を考えつつ、できるかぎり素直に、早く返す、必要かもしれない脇道も一応話す(これでダイエットのことに当たったんだが)。これだけの高スピードで人間と話すのはめったにない。口を動かすのも大変だが、頭の回転もたいへんだ。まあ、わりと人と話すと脳の滑りはよくなるんだ、俺は。でも、同時進行で始まってる脳内反省会が尾を引いてむちゃくちゃ疲れる。たとえば、メンヘル食べ物的に知っているような知識について「あくまで初めてこういう病院に来たという事実を嘘を思われたら困る」という理由で知らないふりをしてしまったようなことをやはり見ぬかれたくさいが、どうリカバリーすべきか、するべきではないのか。

強迫観念(きょうはくかんねん)とは、本人の意志と無関係に頭に浮かぶ、不快感や不安感を生じさせる観念を指す。

強迫性障害 - Wikipedia

 部屋の鍵が気になったことは? という質問。そりゃああるよ、独り暮らしだもの。って、「人並みには、それは」と言ったが、さて、人並みとは? でも、誰だってあるだろ、そりゃ。けど、ああ、あれはハロゲンヒーター使ってたころ、あれはひどかった。あれはつけっぱなしだとすぐ火事になると信じて疑わず、最後、ドアを閉めるときに抜いたコンセントが見えるような位置にわざわざ置いたりしてた。鍵だって、まあ、毎朝、三歩くらい歩いて、二度は確認するが、しかし。

患者の共通点として、元来几帳面であったり、融通が効かずに生真面目な性格傾向が挙げられる事も多い。これらの性格と障害の因果関係はよくわかっていないが、このためから過去、完全に心の働きのみが原因となって起きる(心因性という)神経症の一種に分類されてきた経緯がある。

強迫性障害 - Wikipedia

 几帳面、生真面目というのはあんまり当てはまらないような。仕事だって気が散ってサボってインターネッツしてるし。でもまあ、締め切りぎりぎりになると加速するけど、え、それなの?

まず、摂食障害になるきっかけは、ちょっとしたダイエットがきっかけのことが多いです。はじめは少し痩せられればいいと思っていても、食事を取らずに一度飢餓状態になると、正常な思考ができなくなってきます。

カウンセリングオフィス Cloverleaf[クローバーリーフ] | 埼玉県 | 臨床心理士 | 認知行動療法 | カウンセリング | うつ |

 まあその、はっきり言って、周りの人間に「急に痩せすぎ」、「やりすぎだろ」、「病気だぞ」とか言われても、心底「なに言ってんの? 超健康だし」って思ってたし(そんときは不思議と希死願望みたいな発想が出てこない。完全に正しいやり方を正しく実行してるとしか思ってない)。

また、完璧主義や強迫的な人も摂食障害になりやすいと考えられています。そして、拒食や過食は自分を完璧な存在にしようとすること、そうなれないならば死んで新しい出発をしようとする試みとして理解できる場合もあります

カウンセリングオフィス Cloverleaf[クローバーリーフ] | 埼玉県 | 臨床心理士 | 認知行動療法 | カウンセリング | うつ |

 まあしかし、俺が医者で聞いたことを正しく解釈しているのか、この引用元がいかなるものか、俺が俺をきちんと見ているのか、判断するだけの材料もないのだが、この一致になにかしらないとは言えないように思える。とはいえ、ともかく脳内のセロトニンの量を調べるだとか、言語流暢性課題による前頭葉賦活の特徴を光トポグラフィーで測定するとか、そういうほうが21世紀っぽくはある。

ここ数年は生物学的な研究が加速されている。PETなどの脳イメージングや遺伝,セロトニンニューロンについての研究が進んでいる。
最近では強迫性障害の生物学的モデルの成功をきっかけに強迫性障害の概念を広げる動きが活発である。Obsessive-Compulsive spectrum disorderとして,身体表現性障害(例:身体醜形障害,心気症)や,解離性障害(例:離人症性障害),摂食障害(例:神経性無食欲症,神経性大食症),衝動制御の障害(例:抜毛症,病的賭博,病的買い物,性的衝動強迫),神経疾患(例:トゥレット障害,シデナム舞踏病パーキンソン病てんかん,自閉性障害)などが強迫性障害の類縁であると考えられるようになった。

http://homepage1.nifty.com/hharai/ocd/

 さっきから強調は引用者による。しかし、たぶん関係ないとはいえ、パーキンソン病とか見ちゃうと、俺の父の父と母の母パーキンソン病だったぜ、どんなニックスだよ? とか思ってしまうし(パーキンソン自体、遺伝的であるという話がまったくないわけでもないという程度なんで、まあ関係ないんだろうけど)。

うつ病エピソードの合併が多い。生涯にうつ病になる率が強迫性障害では約40%である。診断・治療は治療が容易なところから行うと治療が進めやすい。うつ病薬物療法に反応しやすいので, うつ病エピソードが疑われる場合は,抗うつ薬による治療を優先する。強迫性障害セロトニン抗うつ薬に反応するので鑑別が困難な場合でも治療には支障がない。過去の病歴の中で躁病性エピソードがあった患者については躁転に気をつける必要がある。

http://homepage1.nifty.com/hharai/ocd/

 「とりあえず、あなたはここに来て、どうしたかったんですか?」
 とりあえず、引っ越しもあるので、身体が動くようにならなければいけません。そして、それが性格なのかどうかわからないけれども、このテスト結果のような、抑うつ的なものが治るものであるのかどうか、そういう話になると思います。
 「そう、風邪を引いていて、身体を鍛えようと思っても無理です。だから、とりあえず薬と休息で動悸や発汗をどうにかして、それから考えましょう。ただ、思い込みを治す薬はありません。希死念慮にしても、長い時間がかかります」
 「はい、わかります。ありがとうございました」
 ……と、まあ、しかし、1時間30分位話して(3つくらい筆記テストみたいなのもやったが)、相当な情報は出したと思う。かなり本音のところ、恥部のところ、秘密のところも晒したと思う。しかもまあ、なにもかもいかにも作ってきたような家庭環境、経歴、思考であって、ほんとうにティピカルな機能不全家族、トラウマ持ちメンヘル像を作ってきたんじゃないかと思われている可能性もないわけではないだろう。というか、そういうの、だいたいブログに書いてきたから、下書きがあるっていうか、慣れっこっていうか、マジでプリントアウトみてえなもんじゃねえか
 でもまあ、薬も出たし、それが効いてこの調子(まあ、なぜかこの調子の感じを知ってるけれども)なので、とりあえず引っ越しはどうにかできるだろう。その先は知らない。だいたい、なんかこう病名がついたわけでもないし、ひょっとしたら、たまたま痩せすぎて、本当にそれだけなのかもしれない。どちらかというと、肉体的な治療だけで片が付く。……甘いか? わからん。
 このあたりの自意識は複雑で、正直、なんか病気なら病気と判断してくれと、楽になる薬なりカウンセリングなりをくれという気持ちもあるんだが、そう考えている自分がいる、考える余裕のある自分がいる、それを観察して記述すらできる自分がいるということは、これはいわゆる似非メンヘラーそのものじゃないのか? という気もする。医者の判断が正しいとしたらだが、少なくとも俺は俺のジョギング、ダイエットについて認識していなかった。ゆえにそれはどうも本当っぽいと感じる。
 つーか、俺、すげえ元気で正気じゃん? そうでもないの? なんというか、切羽詰まってても、文章で切羽詰まった感を演出しようという余裕がある限りは、なんかこう、まだまだじゃえねのかって。それで、希死感とか、そういうのはもう、まったく、完全に本当に心に食い込んでるんだけど、それすら言葉にすると、どこか嘘になるような気もしてくる。

俺はつねづね、「言葉というのは吐いた瞬間に嘘になってしまうものだ」という感覚を持っている。書いた瞬間に文章は嘘になる。いや、すぐには死なないかも知れないが、ティッシュペーパーに包まれた精子くらいの時間しかもたない。

言葉のアウトソーシング、ティッシュペーパーの中のもの - 関内関外日記(跡地)

 まあ、精巣のほうで精子が作られ続けてりゃ少し死んだところで意味ないか。まあいい、で、似非であるとすれば、似非でなくなるように自らコントロールしなくてはならないが、ライフハックブログ読んでやる気をコントロールするくらいなら、一生スローモーションの動きのほうがマシとすら思うわけだ。まあ、とにかく楽になりたいだけなんだ。
 あと、俺の中に、いろいろ入り組んだ過去や背景があろうと、それを一発で治す薬はある。俺についていえばある。処方さえしてくれれば、ほんとうに俺はもう自分にも他者にも無害な、ただひたすら幸せを歌う小鳥さんみたいになれるんだぜ。さあ、はやくくれ、くれ。