本物が欲しい

goldhead2005-05-09

 一昨日、東急ハンズの鉄道関係ジャンク品特売で買った(id:goldhead:20050507#p1)のが、右上に浮かぶ「非常用ドアコック案内板」だ。「駆け込み乗車禁止注意シール」と迷って、こちらを選んだ。何と言っても字に味があっていい。上の方は比較的整っているのだけれど、一番下の注意書きに至っては、可愛すぎると言っていいだろう。しかし、この物品、オブジェの何よりの魅力は、本当に走っている電車で使用されるものだということだ。
 断っておくが、僕は鉄道マニアではない。マニアでないのに、こういった物に惹かれて仕方がない。特売会場には、他にもいろいろな本物があった。それに対して、もうわけもなくキャーキャー言ってしまったのだ。絶対に必要ないはずの路線図や行き先表示、車両の製造プレート。どれもこれも欲しくてたまらなかった。それにどんな価値があるかなんてさっぱり知らないのに。ただ、それが普通には売っていないもの。どこかで実用される本物だという理由だけだ。
 しかし、思い返してみれば、こういう嗜好は昔から持っていた。それは、軍用品に関する物品だ。中学の頃だったろうか、軍服や小さなカバン、バッジなど、東ドイツが無くなったおかげで、いろいろと買い集めたものだ。これには実用品としての魅力(http://www.nakatashoten.com/euro/eu-82.html こういうパーカーは重宝した)もあるけれど、やはり本物の実用品だ、という点に魅力がある。
 さらに遡れば、もっと変な趣味が出てくる。小学生のころ、文房具店の片隅にある、商店用の小物を買ったりしたことだ。価格プレートやポップ用のラベル。役に立つはずもない。けど、それは本物だ。文房具といえば、学校の理科室にある本物、すなわちリトマス試験紙やビーカー、スポイトなどを、使いもしないのに買ったっけ。
 果たして、僕のこの趣味は何と名づければいいのだろうか。そして、この趣味はどれだけ一般的なものだろうか。これはあくまで推測だけれど、男には分かってもらえるような気がするが、女性の理解は得られないような気がする。価値のないオブジェ、ガジェットに対する執着の違いと言おうか、そこらあたりで。それともやはり、僕の変な趣味なのかもしれない。あるいは、鉄道オタ、ミリタリーオタ(これはそうかもしれない)、学校オタとしての隠れた資質があるだけなのかもしれないけれど。