http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-060125-0001.html
堀江容疑者はこの日、東京・小菅の東京拘置所で検事の取り調べを受けた。粉飾決算、偽計取引などの容疑に関しては「違法性はない」などと全面否認した。終始落ち着いた様子だったという。
ついにホリエモンでも堀江社長でもなく堀江容疑者となった堀江貴文。マスコミの手のひらを返したような批判の嵐も吹き荒れている。……と、常套句を使ってしまったが、百八十度‘手のひらを返す’ほどの返しでもないような。どちらかといえば、様子見や批判的な見方も少なからずあったから、九十度折り曲げて叩きつぶしている感じかと思う。テリー伊藤なんかも、協力関係にありながらある程度の予防線を張っておいたような印象を受ける。それでも、見苦しさは否めないが。
まあ、それはともかく、ついに堀江は堀の中である。……と思わず書いてしまったが、これも正確ではないか。拘置所に入っている段階では、まだ白黒ついていない、いや、黒くなっていない時点で白の存在。すなわち、まだ疑われている人、にすぎないのだった。この拘置所とその長期拘禁の在り方には疑問の声もあって、「代用監獄」(→意味を取り違えていた。代用監獄は警察の留置所を拘置所として用いる場合に使う言葉だったようだ)なんて批判されたりもするからな。
そんなわけで、今朝のみのもんたのワイドショーで、見覚えのある拘置所の描写が流れていた。ああ、佐藤優の『国家の罠』(id:goldhead:20050602#p1)じゃないか。そうだ、あれも切れ者の著者によって克明な獄中記(獄ではないが、以下面倒なので混同代用監獄ついでに調べたら、「獄」には「未決または既決の囚人の自由を束縛してとめておく所」と広辞苑にあった)になっているのだった。しかし、見沢知廉にしても、花輪和一にしても、この佐藤優にしても、ムショの飯はうまいと言うな。閉じこめられた環境での食事が持つ意味の大きさもあろうが、そればかりとも思えないくらいだ。拘置所では私費を払えばちょっと立派な弁当が食えるというが、そんなコンビニ弁当程度のものより、麦混じりご飯の方がずっと美味しかったと佐藤も書いていたっけ。あと、今朝のワイドショーでは佐藤の盟友(?)鈴木宗男も登場。やはり「ご飯はあたたかくて美味しくて何も問題ないですよ」みたいなことを言っていたな。はたして堀江貴文はこの獄中記をいかなる形で出すのだろう。中島らもじゃないが、「拘置所でやせるダイエット」で、風間杜夫になって出てきたりして(追記:さっき「堀江って痩せたら風間杜夫ですよね?」って職場の人に言ってみたら猛烈に否定された)。
……何の話だったか。そうだ、「すべて僕マター」だ。報道ステーションだったと思うが、社内のメールには全て目を通しているという話。これはすごい。俺は、堀江を‘モンスター’と思うくらい頭の切れる人間だと(id:goldhead:20050222#p2)思っていて、それは今でも変わらない(「本当に頭のいい人間はばれるような犯罪はしない」というような本当論にあまり意味はないと思う)。それが、会社組織で行われるあらゆる所に介在して監視の目を光らせ、指示を出す(「まだYahoo!マップを使っている人がいるようですが、Livedoorマップを使ってください」て)のだから、これはもう強力だ。組織作りも糞もない効率性、これ生半可じゃない。実際それで実業の方がうまく回転したかどうかは知らないけれど。
というわけで、そんな堀江は検察にも簡単に転んだりはしないようだ、というのが上の記事。佐藤優の著書における彼の徹底抗戦ぶりもすごかったが、おそらく堀江もそう簡単には落ちないだろう。あるいは、ライブドアを失おうとも、刑務所の後を考えていることだって十分に考えられる。非を認めたら自分の価値がゼロになるじゃないですか、と。おそらく世の中には堀江信奉者のような人もまだまだいるだろうし、それを引き留める必要がある。あるいはいつか角川春樹のように返り咲く(乾坤一擲で『男たちの大和』ヒットさせるのはスゲエや)かもしれない、と。
ところで俺は堀江をどう見ていたのだろう? ちょっと過去ログを検索。あらびっくり「がんばれライブドア、がんばれホリエモン」(id:goldhead:20041026#p1)、「ホリエモンをますます応援したい」(id:goldhead:20041104#p5)なんて文字が並んでいる。そうか、俺は堀江信者だったのかと日記を読み返してみたが、あまり応援しているとは言えない代物であった。ここらあたり、テリー伊藤のやり口に似ているかもしれない。そうだぜ、だって俺は堀江よりIQが高い(id:goldhead:20051128#p1)んだから、こんなのは想定内ですとも。