超小型テレビというのは、何か特別なガジェットという気がする。少なくとも、1970年代生まれの俺には、そんな感覚がある。未来を感じさせる機械というイメージだ。中学生の頃だったか、ゲームギアにTVチューナーを付けたのを持ってる奴がいて、それにも未来を感じたものだ。
そんなわけで、携帯が音楽が聴けるだの、FMが聴けるだのに比べると、「テレビ見られる」というのは、俺の中で非常に大きいのだ。大きくてかなわない。しかし、最新の機器に疎い俺のことだから、実に半信半疑であったのだ、「ちゃんと見られるのか?」と。以前、我が家にも一台、なにかのオマケでついてきたような携帯テレビがあったが、ちっとも映りはしなかった。そんな記憶もある。
しかし、どうでしょう、少なくとも山手の俺のアパートではきちんと見られたのだから驚きだ、試験放送中。うわーって感じ。これだよって感じ。……なのだけれど、部屋で見られたからって意味はない。部屋には普通のテレビがある。俺は今どき珍しいテレビ大好きっ子かもしれないが、さすがにこの二画面は喜ばない。アナログも映りはいまいちだが見られるのを確かめたが、果たして外では?
というのを徒歩通勤中に確かめたいのだが、この雪である。悲惨に路面が凍ったりしていて、ここで転んでは、俺の体どころか携帯まで壊れてしまう。これは避けたい。まあ、急ぐ必要はないのだし、どこか気持ちいい公園でビール飲みながら馬券買って競馬中継見たりとか、そんなユビキタスの春を夢見る次第である。