君は小雨の中運び出されるコピー機を見ても泣いてはいけない

 老人が梯子を支えて小雨の中、梯子の上の男がコンビニの塔から名前を外す。光ない店内、入り口には白い上に赤マジックの手書きで「緊急閉店」と少しはしゃぎ気味の文字が踊る。俺対向車線に渡って死んだコンビニをしげしげ眺める。かかずらうことなく小雨の降る。