さて、帰るか

 

このあいだ、Amazonで喪服を買った。問題なかった。スーツも通販で買えるのではないか、と思った。

 

おれはまずAmazonでスーツを見てみた。どうも、おれが買った喪服は股下の選択など、サイズが細かく選べる特殊例だったらしい。ちょっとサイズがわからん。

 

次におれはZOZOを見た。ZOZOで、古着だ。ウェスト、股下がばっちり表記されている。問題ない。

 

が、なかなかいいのがないな、と思って、いったん離れた。離れたが、また戻った。戻ってみたら、さっき出てなかったやつが目に入った。ウェスト、股下をチェックする。数字になんの問題もない。価格も安い。これはなんだろうか、買いに違いない。おれはすぐに購入した。

 

購入したら、確認メールが来た。それを見ておれは愕然とした。購入したスーツのブランド名が「なんたらかんたら WOMAN」になっていたのだ。え、レディーススーツ? 女物? ちょっと待て、取り消し……と、思ったら、古着は取り消しできなかった。

 

嘘だろうと思いながら、購入ページを見直す。うーん、分類はメンズになっているようだし、スーツのボタンも男物のように見える。商品名の入力ミスだろうか。そうであってくれ。

 

と、思っていたものが届いた。会社の昼休み、さっそく開けて、着てみる。上着。これがきつい。肩幅がきつい。ボタンはとまりそうにない。あかん、完全にレディースや……。

 

そう思って、まあ会社で処分するわけにもいかず、持って帰った。持って帰って、もう一回着てみた。すると、肩はきついが、ボタンがとまった。なんとかとまった。なんだろう。それはあれだ、おれは会社では分厚いシャツの上に分厚いフリースを着ていた。が、家ではあれだ、これまた通販で買った喪服用のワイシャツを試しに着てみて、その上からだ。厚みが違う。なんとか入る。ただ、やはりきつめではあるが……。

 

して、ズボンだ。ズボンはどうなのだ。これが、履いてみるとばっちりだ。数字が示していたとおり、ばっちりだ。

 

で、結局これがメンズだったのかレディースだったのかわからん。このブランドにはメンズとレディースがあって、服にはどっちか書いていない。ただ、Lサイズとある。うーん。まあなんだろうか、上も少し痩せればいいだろうし、下はばっちりだ。

 

……そしておれは、次にメルカリでスーツを探し始めた。まったく知らない人のネームが入っているようなスーツ。そういうののすごく安いやつを買う。よくわからないが、楽しい。不毛な楽しみだ。それだけだ。