ドンキでチリビールってのが売ってて、ビンの中にトウガラシ一本浮かんでたから買ったんだ。安いし、おもしろいじゃないかって。どんな味がするだなんて考えもしなかった。まったく、まったく、これっぽっちも考えやしなかったんだ。ただのおかしな意匠くらいにしか思わなかったのさ。そりゃ、ちょっと辛口かとは思ったけどさ。やっぱり、トウガラシ一本漬け込んでるってのは無視できないんだよな。一口飲んで辛いって思って、それにトウガラシの匂いも一杯で、タバスコかなにか炭酸水で割って飲んだような気になったさ。ズブロッカに一本浮かんでるあれとは大違いだ。まるで無視できないんだ。俺はこれっぽっちも想像しなかったし、チリ・ビールと称して区分上は発泡酒だったそいつはトウガラシの味がした。当たり前のことに驚いて俺は胃を痛くして半分も飲めない。なにかを買うときは注意するべきだ。そこがドンキであろうと、なかろうと。
