さて、帰るか。

 サッカーの予習もしたし。でもなんだ、若い人が苦手というのは、あらためて考えてみて、俺の中に根強いな。おしゃれなものとか、金持ちのものとか、嫌いなものは多いけど、若者はものすごく小さなころから苦手だった。とはいえ、子供の残酷さは苦手だし、老人は死にそうだから苦手だ。中年くらいの人にこちらが若輩者として接するくらいがいいようだが、なんだかんだいって人間はみんな苦手だな。今日帰ってドアを開けたら、泥棒が荒らしたみたいになっているんだろう。鍵は合い鍵を作れても、あの百円ショップで買った使い勝手のいいキーホルダーはどうなる。いや、部屋で無くしたんじゃないのか、俺の部屋で。こんなに俺に逆らうとは思いもしなかったな。新米を買おうと思ったが、まだ千葉県産と栃木県産くらいしか出回っておらず、無洗米もない。オーブントースターは快調だが、ホイル焼きなんてものは電子レンジで十分じゃないかと思う。サトウのご飯の新米があったので買ってみたが、べたべたして、悪いころのパックご飯という感じだった。なにかキャラが印刷されていて、男の子のようだったが、誰を狙っているのだろう。俺だったか。肉を使い切れない。安い安い豚肉を買って少し使い残して冷凍庫送り。そんなものばかりたまる人生。玉子というのは妙な食材で、死肉の方が食料としてずっとしっくりくるようにも思える。とはいえ、自然界でも玉子は狙われる。牛乳にあやしげな危険説が出て、豆乳もあらぬ誤解を受ける今、飲むべきは日本酒。肴はもずく。たとえ五十円高くとも、中国産より沖縄産を選ぶ。そのくらいの贅沢は許されていいのではないか。同じチームのキーパーが榎本達也榎本哲也という名前で、血縁関係がないのは解せない。