スポーツ報知に釣られてしまったの

 昨日私は書きました。
http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20061106#p4

 徳山がプライドへ……というニュースなのだが、報知以外で報じられておらず、「もちろん出るつもりはない」とキッパリ言いたかったりしたらどうするんだ、みたいな。

 徳山は自らのサイトでこう述べました。
http://www.chang-su.com/hitorigoto-2.html

自分の今の立場、ポジションをもう一度よく考え直し、ボクシング界全体の事を考えた時、出るべきではないとキッチリ断りました。

 というわけで、徳山昌守総合格闘技転向は、壮大な報知の釣りだったようです。どうするんだ、報知。まあ、さんざん「黒田阪神へ」を報じた日刊スポーツと一緒で、別にどうもしないもんですし、逆に「どうするんだ」を恐れてあまりに決まり切った記事ばかりになったら、スポーツ新聞に価値はない、と思いますよ。ひとときの釣りに釣られて右往左往するのも悪くないものです。
 しかし、総合ルールのオファーではなく、ボクシングエキシビジョンだったのですね。それで、PRIDEのエースというとやはり五味隆典でしょうか。ボクシング技術-体重差=徳山不利もありうる、というのが徳山の結論。少なくとも、4R内K.O.勝利は難しい、引き分けでもボクシングにとってのマイナスが大きいという目算。「素人は体重差の事なんて分からないからね」というあたりもよくわかってるんじゃないでしょうか。
 で、俺も間違いなく素人なので興味津々になってしまいますが、「いったいどのくらいなら確勝体重差なのか」と。あるいは、どのくらいで釣り合いが取れるのか、と。ボクシングは極限まで競技性を高め、クラスが細分化されています。ですから、たとえば「スーパーフライ級の世界王者とライト級の四回戦の選手がやったらどっちが強いのか?」などという疑問を持ったところで、当然くだらない疑問で一笑に付されるばかりでしょう。「そんな競技性を欠いた階級差ありありの見せ物が見たければ、見せ物を見ろよ」というのがボクシングファンの答えでしょう。
 ですから、見せ物に現役に近い王者来ないかなぁ、というのが門外漢の私の失礼な願い。もちろん、純ボクシング者同士ではわざわざエキシビジョンにもならないから、片方は体格にまさる非ボクシング者となるでしょう。それでも、果たしてボクシングのテクニックがボクシングルールでどれだけ大きな相手を倒せるのか、それあたりの小さな答えにはなりそうです。
 どうも自分には異種格闘的要素を好む性質があるようです。趣味の競馬や野球などをやっていても、そう感じます。当然、俎上にあげられる各要素の土台については配慮を欠く発想でしょう。プロレスラーが総合でボコられるのを見て楽しむくちですから。しかしまあ、ボクシングならボクシングで、その中の大切な選手たちがボクシングを捨てるというのに、門外漢があれこれ言うこともないかもしれません。「現役ボクサーの間はプライド参戦の話しも断っています」という徳山だって、引退したらどうなるかわからないという含みは残しているわけです。しかし、もしも、ボクサーがボクシングに命を賭ける見返りが少ないと感じるならば、不幸なことではあると思います。「総合のショーに出ろ」と願い、たとえば黒田のカープ愛に頼ってカープ残留を願うこの私が言えたもんじゃあないとは思いますが。