惑乱、私の妹

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070731-00000020-mai-soci

弁護側は冒頭陳述で「被害者に憎悪を覚えていたわけではなく『気に食わない』という程度に過ぎない。受験のプレッシャーも全くなかった」などと検察側主張に反論。殺害や死体損壊の動機が解明されていないと主張した。

 心神喪失を主張するのがこの被告人に対する最良の選択であるというのならば、弁護士はできうるかぎりその役目を果たせばいいと思うが、一般論に一つフォルダの階層を上げて受ける印象はといえば、これだけ人間関係やきっかけがはっきりしている中で起きた殺人事件について動機が解明されていないなどと言われると、この世の殺人事件には「気にくわない」とか「ついカッとした」程度から引き起こされるようなものも多いんじゃないかと言いたくなり、畢竟ずるに人間なんてその程度のことで殺し、殺されるものであって、むしろゴルゴ13のごとく冷静沈着に行われる殺人など少なく、そのときの一時的な心神喪失によって引き起こされるのがいくつもの愚かしい事件であって、その一時的な喪失の責任は本人に帰するところのようにも思えるが、たしかに中には異常とされるような、法に触れるような行動は犯していなくても、中身は完全に行ってしまっているような人もあって、たまたま事件で発露してしまうような場合もあるかもしれないが、では彼のそれまでの日常はどうだったのか、心神はどこにいたのか、心神とはなんなのか、いっそうわからなくなるのであった。