前田よ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/81352/

若き日には、夢があった。前田智を獲得した村上スカウトが明かす。「行けるときが来たら、ぜひ大リーグに行ってみたいんです…と、あいつはいっていたんだよ」。

 前田智徳が二千本安打達成。前田についてはいくらでも語ることがあるだろうから、それらについてあえて語ることもない……。
 現在の、前田だ。印象的だったのは、深夜のスポーツうるぐす。生出演の前田に、江川卓は次のような質問をした。「前田さんに憧れて野球をする子どもたちも多いと思います。もしも子どもたちに、バッティングのコツを教えるとしたら、なんと言いますか?」……単にバッティングのコツを聞いても答えるはずがない。そこで、子どもをだしにする江川の如才なさ、見事な質問だ。これに前田がどう答えたか(引用形式にするけれど、正確な聞き書きではなくて大意です)。

 自分が教わりたいくらい。子どもたちと手をつないで聞きに行きます。

 これには泣けた。求道者の「道」は答えそのものでなく、やはり「道」そのものなのか。もしも道を求める子がいれば、手をつないで道を行くという。世の中の一握りの資質に恵まれた人間しかなれないプロ野球選手。その中にあって、さらに天才と言われる男の真髄。前田の前に前田なく、前田の後に前田無し。いや、前田が道を求める限り、同じ道を求める後人も出てくるだろう。
 願はくは、前田の道のりを一打席でも長く見られますように。第二、第三の前田が、早くカープに現れますように(選手名鑑上のコメントでなしに!)。