『宇宙消失』グレッグ・イーガン

宇宙消失 (創元SF文庫)

宇宙消失 (創元SF文庫)

 これには泣けた。今、かなりの時間をかけて、途中ネットでいろいろな読み物を読んだりしつつ書いた感想が消失した。「登録する」ボタンを押す段階で、なぜかログアウト扱いになっていて、「何お前ログインしてないやつが日記編集しようとしてんだよ」ってことになったみたい。あんまりだ。しかも、本当のことなのに、俺しか知らないとは。誰だ、収縮したやつは?

  • P.K.ディックみたいだ。自我、信仰。ただし、ディック自身が狂っているような悪夢はない。しかし、誰かに押しつけてでも読ませろ、というおもしろさ、読者を選ばない優等生的なおもしろさはある。俺でも楽しめた。
  • 訳者あとがきのタイトル「シュレディンガーの猫の身にもなってみろ!」。
  • イーガンが影響を受けた作品として『ブラッド・ミュージック』(http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20050802#p3)があるが、あれみたいに、土台のところはきっちりと(おそらく専門筋も認めるような)作り、どこからかSFを紛れ込ませて世界に引っ張り込む。これに長けている。おそらくそれは、専門筋が見てもそれなりに納得できる土台と、専門筋を楽しませるくらいの発想がなければいけないと思うが、俺は専門筋でないのでわからない。
  • サイバーパンク要素は当たり前のように入っている。というか、書かれたのが最近(ディックとかに比べれば)なので、むしろ現実要素に近いぐらいだ。情報やネットについて、リアル。でも、なにかむずがゆいところもある。
  • 南泉が斬ったのはシュレディンガーの猫だったんだ! って言葉だけ浮かんでしまったが、どうしていいかわからない。