『I Love You,答えてくれ』中島みゆき

I Love You,答えてくれ【オリコン加盟店】■中島みゆき CD【I Love You, 答えてくれ】07/10/3発売【楽ギフ_包装選択】
 母が「中島みゆきの一番新しいアルバムはロックで凄い」と言うので、ちょっと借りてみました。母は中島みゆきのファンでしたので、私は「アザミ嬢のララバイ」などで育ったのです。
 一曲目「本日、未熟者」。「野望はあるか! 義はあるか! 恥はあるか! 情けはあるか!」と呼びかけられてしまい、頭の中には『マイボス・マイヒーロー』の長瀬君など思い出してしまうのですが(今、Amazonの詳細ページ見たらTOKIO提供曲とのことで、そういうことなのかもしれないです)、それよりもやられたのが二曲目の「顔のない街の中で」でしょう。
 顔のない街、物と物のようにすれ違う、見知らぬ人々……。こういう歌となれば、「そんな街の中で愛を探す」とか「そんな街の中で君を探す」、「そんな街の中で本当の自分を探す」とか続くのがセオリーでしょう。ところが、中島みゆきはこう歌います。
「ならば見知れ、思い知るまでに見知れ」
 これは凄い。これには参った。参りました。ならば見知れ! これは直球だ。ストレートだ。顔無しの疎外感、無関心、それが嫌なら、見知れ! ものすごい何かに対するアンサーソングという気がします。
 さらに「Nobody Is Right」では「正しさは道具じゃない」と来て、力強い言葉にぐらっと来ていると、「ボディ・トーク」で「言葉なんか迫力がない」と。「背広の下のロックンロール」などは、自分がCMディレクターかなにかであれば、即使ってみたくなること間違いなし。背広でもなく、ロックンロールを秘めてもいない自分でもグッと来るのですから、直撃の人達にはえらいことになるでしょう。「サバイバル・ロード」など力強いロックに象徴される中でも、「一期一会」(EAST ASIAっぽい?)、「アイス・フィッシュ」などできっちりとメリハリがついていて、まあ何ともすごい。大力量の人。この国には中島みゆきがいた!
 ……けど、体力、精神力的に落ち込んでいるので、CDはすぐに返しました。