もうフジテレビの競馬中継はいいです

 同番組は純粋な競馬中継に重きを置き、競馬ファンに長く愛されてきた。が、既存のファンのみならず、これから競馬を始めたい初心者でも楽しめる番組作りをめざし、内容を一新することになった。番組タイトルも、そのままズバリ「みんなのケイバ」に。

http://www.sanspo.com/geino/top/gt200712/gt2007121400.html

 スーパー競馬が終了し、新番組になるとのこと。「プロ野球ニュース」が終わって、「すぽると」が始まるようなものだろう。「マニアはCSを見てください」と。「プロ野球ニュース」のときは悔しくてしかたなかった。が、スーパー競馬はもういいや。そういう感じ。亡き大川慶次郎の席に岡部幸雄が、あるいは伊藤雄二元調教師などが座れば(無理すぎ)、またかつてのバランスが……、などとも思いもしたが、重賞でもパドック全頭紹介しない時点で興味なくなったのだ。
 そして、前にも書いたが、そのおかげで俺はずいぶん楽になった。かつては「メーンレースの時間は必ずテレビの前に」という強迫的な時間ルールに縛られて生きていたが、その軛から解放されたのだ。今、PSPワンセグで競馬中継がアピールされてるけど、競馬ファンには少なからずあるところではないだろうか。でも、今は「見られたら見られればいいし、ラジオで聴けるなら聴ければいいし、駄目なら駄目でしょうがない」といったところ。かといって、競馬熱は下がっていない。だから俺にとっては、もうテレビ中継などどうでもいいのだ。グリーンチャンネルに加入しようとも思わない(そもそも金がない)。
 しかし、それでもやはりG1級、とくに日本ダービー有馬記念クラスは見なければならない。正座して見なければいけない。その思いは強い。そのためには、競馬中継自体に無くなってもらっては困る(上記2レース級はNHKがやるけれども)。だから、この新番組がぽしゃって、「うちはもう競馬中継から手を引きます」とかいうのは駄目だ。……って、広告主であるJRAは視聴率による宣伝目的でやってるわけじゃないから、手を引くことはないかもしれないが。やはり地上波の影響は大きい。深夜に追いやられたボクシングやプロレスの不遇。なんとなく気軽に合わせられてしまうマスメディアの威力は大きいはず。
 となると、たとえば「うまなで」(一回も見たことない)の路線が、ある程度成功をおさめている、とかいうことは考えられないか。競馬も新規ファン開拓無しではジリ貧。もしもそうであるならば、その方向で成功してくれればいい。競馬界を大局的に憂える俺かっこいい。だから、たとえば新番組についても競馬ファンにとっての光明があればいい。

生の感動を伝えるスポーツ中継の神髄は守りながら、競馬中継の大きな特徴の「予想」に比重を置き、視聴者により多くの馬券情報を提示していく。

 「予想」といっても評論家によって千差万別のスタイルがある。一人の講師が延々とやっても面白く以前、スーパー競馬でいろいろなスポーツ紙や専門誌の好調な予想家が出てくるような企画があって、ああいうのだったら面白いんじゃないのか。スタンダードな予想から、タイム理論、血統信者、さらには「このJRAのパンフレット見てください。キャッチコピーの三文字目に冬という文字が含まれているでしょう。これがサイン、三枠です」とか「見てください、朝の10時に複勝500万円突っ込んだ形跡があるでしょ。これは狙いです」とか、そういうマニアなところがかえって初心者の気を引きは……しないか。まあ、ええことよ。