こんな事件があっていいのか?

 米ロサンゼルスで1981年に起きた銃撃事件で、日本での無罪確定後、サイパンで逮捕された元会社社長、三浦和義容疑者(60)の身柄移送をめぐる審理が3日、サイパンの地裁で開かれ、元社長の弁護人バーライン氏はカリフォルニア州への移送を拒否し、即時釈放を要求した。

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20080303-330760.html

 ロス市警のリック・ジャクソン搜査官が出てきて何事かを述べたときは、「おやおや、ジェイムズ・エルロイの世界みたいじゃあないか」などと思っていたが、ダンディな元搜査官ジミー佐古田氏の復帰、そして、三浦被告が雇った大柄でサングラスの二人組弁護士登場となって、もういよいよこう思った、「こんな映画みたいな事件が現実にあっていいのか?」と、リンチか、コーエン兄弟かと。第一次ロス疑惑騒動は、劇場型犯罪(「劇場型犯罪報道」であっても、「劇場型犯罪」ではないと思うが……)と呼ばれたものだが、時を経てさらに磨きが掛かってしまった。これはどういうわけだろうか。三浦和義にはそういうところ、シアトリカルなところ、周囲をシアトリカルに巻き込んでしまうところがあるんだろうか。人ひとり傷つき、殺された事件であって、俺は殺人に時効なしと思うわけだけれども、もう、どこかこの一連の騒動が事件の範疇からはるか遠いところに、しかも同時代に存在していることに、なんといえばいいのか、「フハッ」と驚くよりないのだ。