深夜フジテレビで放送したものを録画、今朝視聴。テレビブロスではボクシング単独枠扱いだったが、テレビの番組表ではその時間帯バラエティなどとひとまとめになっていて、番組単位予約できず不便であった。テレビ東京の深夜もそういう区切りだけど、あれはどういうことなのだろう。スポンサーに売る枠単位なのかもしれないが、こちらとしては困ってしまう。
というのはボクシングと関係ない話。内藤大助と坂田健史の日本人世界王者の君臨する階級、その日本王者決定戦なのだから注目だ……というのは後付けであって、はっきりいって再生ボタンを押すまで、何の試合が録画されているのだかわかっていなかったのだからしょうもない。しかし、名前を見てピンと来た、吉田ってあの吉田かって。もちろん、ウィキペディアで読んだ程度の知識だが、かなり強くネガティヴなことが書かれていて、どんな王者かと思っていたのだ。
日本フライ級タイトル初防衛戦、対小松則幸戦におけるラフ・ファイトぶりは、日頃滅多に明確な批判をすることがないボクシング専門二誌の誌上戦評において、珍しく、揃って否定的見解をもって語られた。この試合における吉田は、バッティング(頭突き)やホールド(抱え込み等)、レスリング行為(引き倒し等)、オープンブロー(掌部分での加撃)、ラビットパンチ(後頭部への加撃)などの反則を、試合全般を通じてほぼ間断なく繰り返しており、ボクシング・マガジン誌は「ヨシケン、乱心」の見出しで、その闘いぶりを「ボクシングとは呼べない所業」と評した。ボクシング・ワールド誌においても、小松陣営のコメントとして「あれではプロテストも受からない」との記述が見られた。
さあ、その王者の防衛戦、さわやかな四月の朝にはぴったりだ。両者の顔ははじめて……いや、ベビーフェイスの清水挑戦者の顔は見たことあるかもしれない。ブログかなにかで。風貌をわかりやすいたとえをするならば、佐藤哲三と北村友一といった両者、はたしてどんな戦いになるのか……。
と、はじまってすぐに思った、「ここまでわかりやすいとは」と。それはもうチャンピオンのスタイル。ドーンと顔から身体から飛び込んで、タックルからクリンチ、後頭部攻撃……、いや、もちろんボクシング素人がバイアスつきで、単に見た目にそう感じただけだけれど、こいつはダーティ。ただ、「乱心」というより、こういうスタイルなんだろうなとは思った。こういう展開に持ち込むのも、また巧さ、なのかもしれないが。
ただ、これを見ていてとまどうのは、採点とかどうなるのだろうというところ。反則といっても、審判が反則減点しない限り(この試合は一回あった)、マイナスにならないのではないだろうか。となると、試合のペースを握り、ダメージを与えているのは王者の方だけれども。と、後半になると挑戦者の方が相手タックルに対処して、ペースを握ってきたみたい(音声付き早送りも使ってました)。気づけば、王者の方が右目の下を大きく腫らしている。が、ともかく全体的には似たような展開。結局判定で、清水挑戦者の勝利。
この日はタックル気味に突進する相手に冷静に対処し、成長を見せた。「自分のボクシングをもっと磨いて世界に挑戦したい」。早ければ7月下旬の内藤の3度目の防衛戦の相手になる可能性が出てきた。
http://www.nikkansports.com/battle/news/p-bt-tp0-20080415-348346.html
というわけで、世界に再び挑むことになるのだろうか。そして、元王者・吉田はどこへ。たとえば亀田大毅と……と、そこに並べるのは失礼か。でも、亀田が善玉に見える可能性すらあるんじゃないか、とか思っちゃったのも事実なのでした。