中京芝千二の話をしよう

 このレース。このレースを俺は完全に当てた。一着馬と二着馬と三着馬の馬連ボックスとワイドボックスしか買っていない。まあ、馬連一つ縦目っているわけだけれども、これでこの日は浮いた。ほかに買うべき馬が見あたらなかったのだ。これは会心。いや、三連複買っておけばとか、三連単も買っておけばとか、もっと買っておけばとかもあるのだけれど。
 これが買えたのは、この前買った『超万馬券を10点以内で当て続ける方法』(亀谷敬正)のおかげだ。だいたい差しが利くようになってきた中京で走る馬のタイプについて取りあげられていた。取りあげられていたのが買ったライブリシュロムそのものであることは、あまり亀谷的に意味がないのかもしれないが、まあそのパターンの馬がこのパターンで走ってきたのだから、それはそれでいいのではないだろうか。
 その何となくのパターン、たしか京都あたりで差して切れ負けするような馬。それで、ライブリシュロムはそのタイプでたぶん今回も似たような馬場ではないか。トーセンマエストロは、近走ダートだけど京都で3着あって外枠もよし。ゴッドスマイルユーもエルコンドルパサー産駒で追い込んでは届かずのタイプ。このへんだろうと。まさにイメージ通り。
 ……が、あまり自慢できない。自慢できないのはこの日は東京全レースも手を出して、ほかに軽く二本程度の当たり。これのおかげで浮いたといえ、「馬券で勝った」とは言いにくい結果。「馬券を買った」とは思うが、勝っていない。この感触をどう勝ちに持っていくか。
 まずは勝負レースを絞ること。このようなレースに厚く行くこと……だが、これは難しい。たしかにこれはすんなり迷い無く買った感じがする。「あれもこれも押さえよう」欲は出なかった。が、じゃあそこで厚く行くかどうかと考えると、すんなりがすんなりと行かず、いろいろ余計なことを考えてしまうことは必定。
 ならば、全レースで厚めに行けばいい……というのもそう行くわけはない。パンクが怖い。こちとら貧乏人、その度胸はない。だいたい、まだ回収率が100%行ってない中でそれは自殺行為。
 ということは、やはり前者。なんとなくサラッと出てきたところにそしらぬ顔で勝負をかける。けっしてオッズと睨めっこして変な皮算用しない。「あれもこれも」で合成オッズを下げない。……うーん、難しそう。でも、たとえば三連単を買い足す、それで三万馬券ということは常に念頭に置きたいが。やはり買い方もマニュアライズした方がいいのだろうかどうか。できるのかどうか。「こんな予想なんだけど」って入れると、「こういう風に配分すると効率がいいです」って考えてくれる美人秘書風アンドロイドでも安く売っていないものだろうか。