八景島シーパラダイスのこと


 こないだの土曜日、八景島シーパラダイスに行った。今まで、八景島シーパラダイスには縁がなかった。いや、一度だけ花火を見に行ったことはあると思う。それだけだ。水族館の入館料が高い。そういうイメージが強かった。その価格から、いけ好かないお高いところかとも思っていた。いや、しっかり見てみればそうでもない。十五周年そのままに、十五年分の疲弊を老朽を少しだけ感じさせる場だった。疲れた観光地は好きなので、好感度は高くなった。

アクアミュージアム

 メーンの水族館。思っていたより大きくはない。大水槽もあるが、新江ノ島水族館相模湾大水槽に比べるといまいちか。見どころといえば、「イワシ・イリュージョン」だろうか。

 ぶわわわーってイワシがいるわけだ。その中に、サメみたいのが三匹放たれている。その上、イリュージョンタイムになると、水槽の中にイワシのエサ玉が投下される。なぜか幻想的な音楽が流れ、エサに群がるイワシ、サメに追われるイワシの群れが観察できるわけだ。これはなかなか見飽きないものだった。
 しかし、一番目を引いたのはイワシでもサメでもなく、一匹のサメの腹の下あたりをずーっと泳いでいた、一匹の魚だ。イワシより大きい。サメの子でもない。それがサメの陰にずーっと隠れて泳いでいた。あれはなんだったのだろう。そういう種類のやつなのか。どっかから紛れ込んだのか。
 最上階でショーも見た。海獣やイルカのショーだ。イルカのショーはすごいな。あのショーをするお兄さん、お姉さんもすごい。イルカとコンビ関係を築く調教師ないし騎手としてのスキルはもちろん、イルカに押されて潜水したり、飛び上がったりというアスリートとしてのポテンシャル。いったいどういう経歴でどういう訓練を経てああなっているのだろうか。

ドルフィンファンタジー

 同チケットで入れる別棟。イルカを上に見られる。浮き輪を体に巻き付けて遊んでいるようなのもいる。これはおもしろい。この日はケータイしか持っていなかったけど、いろいろ撮ってしまった。この感じはいい。その上、「やっぱり将来は海底都市だな」と、SF妄想まで広げてしまう。ここだけ安く入れてくれ、と思った。ここならいくらでも飽きない。しかし、なぜかラッセンの絵が飾ってあるのはよくわからなかった。


ふれあいラグーン

 ここも同チケットで入れる別棟。まさに触れあるゾーン。イルカやペンギンやヒトデに触れるのである。が、イルカ的な連中へのお触りについては、イルカ的な連中の気分次第。飼育員が指示を出して呼び寄せてはくれない。この場ではイルカにいいようにあしらわれる人間、という構図。小雨降る中、「もうちょっと、こっち、こっち来てー」という声や念もむなしく、ほんのちょっと向こうを通り過ぎられる悲しみ。しょうがない、ヒトデ触ろう、ヒトデ、と、いなくなってる隙に、なんか近くに来て触らせてる不運。人間の欲が交差するところ。帰り際、ちょっと触った。触ったからなんだ、といわれればそれまでだ。まったく。

と、いうわけで

 最初はアジサイ祭りが目的だったのだけれど、結局海に親しんで帰ってきた。まあ、いいじゃねえか、水族館。もうちょっと他のところにも行きたくなった。東京の方だろうか。

↑イルカファンタジー入口にあった注意ピクト。かわいい。

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