●『八月の濡れた砂』に続いて藤田敏八作品。にっかつロマンポルノ。ポルノ大作。大谷直子、石田えり、柄本明に岸部一徳、高橋ひとみ。
○柄本明と岸辺一徳が妙な雰囲気ある者同士で面白い。草野球でキャッチボールするシーンがあったりして、それだけでなんかいい。柄本は脱いだらすごく鍛えられた体。高橋ひとみは引き締まっているというより、痩せていた。
●『濡れ砂』も『エロ甘』も終わってしまった、さらにその先の時代、世代、年齢。学生運動が終わった時代、そこで死ねなかったから生き続けるしかない、中年たち。ただ、話はドロドロのはずだが、妙にカラッとしたところもある。屋根がない感じ。
○ともかくエロいよなあ。ロマンポルノと現代AVでは、現代AVの方がガチもいいところだけれど、はっきり言って逆にプロレスもいいところという感じ。どこまでリアルなセックスかといえば、ロマンポルノの方だろうよ、と。
●現代にロマンポルノ領域がないのは残念。たとえばこの敏八さんも両方やっていたというが、そこのところがあってくれてもいいような。いや、Vシネやピンク映画界は健在なのだっけ?
○一番よかったのは、岸部vs大谷@柄本宅。寝取られた夫が押しかけて、わけもわからずの感で後ろからやってしまうところ。あと、ドラえもん音頭。
●バーで与太話する吉行和子と鈴木清順も印象深い。
関連______________________
- 『バージンブルース』……藤田敏八監督。これもわけわかんねえところがあって素敵。
- 『ツィゴイネルワイゼン』……藤田敏八出演。まったくわけわかんねえところがあって素敵。
- 『荒野のダッチワイフ』……大和屋竺監督。これはもうかっこいい映画だったぜ。
- 『エロスは甘き香り』……藤田敏八監督。これは『濡れ砂』より少し上に行った若さか。
- 『八月の濡れた砂』……ギラギラの映画だよなあ。
- 『たまもの』……そうだ、現代ピンク映画も観ていたのだった。