これが最後のメイクデビュー

 水上学氏のブログにてこんな記述を見かけた。

優駿の8月号が届いていたので、寝しなにつらつら読んでいると、悪評高き名句デビュー(1回で変換したらこうなりました。面白いのでそのまま出します)を考案したのが柳瀬尚紀氏で、土川理事長の依頼を受けて考案したことを、柳瀬氏本人が連載で明かしていた。

http://wave.ap.teacup.com/mizukami/501.html

 なんと、柳瀬尚紀のセンス! メイクデビューについては二度メモした。二度メモさせる何かがある。

 詳しくは「優駿」を読んでみなければわからないが(それなりに競馬ファンやってるけど、実は「優駿」を立ち読みすらしたことのない俺)、理事長と言えなくもないあたりから降ってきた話のようだ。そして柳瀬尚紀が巨人ファンかどうかは……知らない。
 柳瀬尚紀が巨人ファンかどうかは知らないが……、柳瀬尚紀というと、いくつかのロアルド・ダール(もっとも、俺にとってダールといえば田村隆一なんだけれども)、ボルヘスの『幻獣辞典』、あとは痛烈に同業者をディスってる『翻訳困りっぱなし』とかに、将棋関係の本。あと、猫好きで、そして競馬にも噛んでいる。というわけで、単にレープロの馬名解説(?)をまとめただけの『G1出走馬 馬名読本』(勝負服部分は「塗り絵」という窮余の策が泣かせる珍本)なんかもひそかに持っているわけで(小さな声でささやけば、さすがにもう「なんとかの一つ覚え」には同感するのです)。
 でも、たぶん氏の最大の業績である、ジェイムズ・ジョイスがらみ、これには手を出していない。どうも、手に負えないような気がする。柳瀬氏込みで、どうも向こう側、という気がしてならないのだ。ひょっとすると、「メイクデビュー(make debut)」も向こう側からの手紙なのか? アナグラム・サムしてみるしかない。もちろん機械任せだ。

Baked Mute
焼かれた無言。
Beak Muted
くちばしは音を消した……。
………われわれは、メイクデビューに沈黙せざるをえない。泥を行かせよ、パン作りさえも沈黙している!
幻獣辞典 (晶文社クラシックス)
おばけ桃の冒険 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
G1出走馬 馬名読本