2010FIFAワールドカップ・アジア最終予選 日本対バーレーン

ところが遠く離れた日本では、いまだに最終予選で盛り上がっていないという。

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/text/200809070004-spnavi.html

 おそらくサッカーファンは盛り上がっているのだろうと思うので、ここでいう「盛り上がる/盛り上がらない」の言及の対象は、たぶん僕のような「地上波で日本代表の試合があって、そのときテレビの前にいたら見る」程度の興味を持つ、ミーハー以前層のことではないかと想像するのだけれど、その当事者である僕がどう感じているかといえば、「盛り上がっていない」というのは正しいように思える。まず、ほかにいろいろの話題があるにせよ、メディアの取り扱いも少ないように思え、テレビの中継にせよ、僕は日曜のゴールデンタイムくらいにやるものだと思い込んでいて、まさが午前三時半開始だということは、その前日の午後十一時くらいに気づくくらいのものであって。
 まあしかし、そういった放送時間的な面もあるのかもしれないわけだけれども、おそらくはミーハー心の火を消したのは、オシムへのミーハー期待がぽしゃって、岡田監督の起用に対して新鮮な興味を抱けない(岡田サッカーのことなどなにも知りません)、そんなところがあるように思える。ワールドカップ予選突破は当たり前かどうかというのは、僕は悲観主義なのでよくわからないが、そのあたりの盛り上がりの無さというのはあるように思える。さらには「オシムのサッカーであれば、ひょっとしたら世界一流と互角に戦える可能性が出てくるのではないか」という過剰なミーハー期待が消沈し、アジア強豪と戦うという当たり前のリアルさに、「またこれを見なければいけないのか」というところがある気もする。
 ただ、そのへんのリアルガチンコ勝負は、普段興味のない競技に夢中になるオリンピックと同じくだいたいおもしろいものなので、深夜三時半テレビの前にいた。
 試合について、僕はサッカーについて語るべき言葉を知らない。ただ、日本がだいたい優位に見え、中村俊輔の地を這うシュートや、遠藤の名人芸、そして最後の「何が起こるかわからない」ところまで楽しめた。
 そうだ、楽しめた要因の一つを書き忘れてはいけない。バーレーン人の、拡声器を使ってずっと盛り上げてるおっさん(DJ?)だ。あと、蛇が操られそうな笛の音(これが本当の中東の笛?)、そしてときどき轟く謎の爆発音。日本選手にとってはうっとうしいアウェイの妨害かもしれないが、僕はもうだいたい中東のこのBGMが大好きであって、とくにこの日のバーレーンはすごかった。スポーツの応援にはいろいろな風習があって、スポーツごとに違ったり、国ごとに違ったりするものだけれど、このアラブの拡声器&笛方面は続いていってほしいものだと思う。