2020FIFAワールドカップアフリカ大会非総括〜結局、日本とアルゼンチンが好きなだけでした〜

 ……最後の方はヨーロッパの強豪の対戦となり、なんとなく興味が薄れて終わった。ジダンクリスチアーノ・ロナウドのテクニックが南米選手のそれに劣るはずもないだろうし、ガットゥーゾカンナバーロの守備がマルケスアジャラに劣るはずもない。そこに雰囲気以外の違いがあるのかどうかすらわからない。それがなんとも口惜しいが、俺の理解はその程度なのだから仕方ない。なぜ、中南米に興味を持てて、ヨーロッパには持てなかったのか。それを知るには、やはり基礎の基礎から勉強していかなければならないのだろうか。まあ、四年後までの宿題だ。あるいは、今回どういうチームだかこれまたわからなかった日本代表が、オシムによって形を与えられていく過程も勉強になるかもしれないしな。

ワールドカップ総括 - 関内関外日記(跡地)

 四年後の俺はその宿題の答えが見つけられませんでした。というか勉強してないし。で、アルゼンチンがドイツにチンチンにされたところで急激に興味がしぼみ、あとは一試合も見ませんでした。おしまい。……では寂しいので、もう少し。

チームとして応援していたのは日本とアルゼンチン

 というのは前回と同じです。日本についてはとくに言う必要はないでしょう。とりわけ理由がないのなら、縁の深い方を応援する、それだけのことです。だから、中津江村の人が日本代表よりもカメルーンを応援しようってのはふつうのことでしょう。もし私がなにかの縁でソクラティス・パパスタソプロスと名刺交換でもしていたら、私はギリシアを熱烈に応援していたことでしょう。
 そして、アルゼンチン。私が若干なりとも世界サッカーに興味を持つ理由になったテベスがいて、あのマラドーナが監督をしていてメッシもいて、さらには、決して弱小国ではないのです。むしろ、強豪国。とりあえず予選リーグは簡単に通過できるくらいのチームなのです。
 日本とどこか強豪の二点買い。これはどこか昔好きだったF1を思い起こさせます。ピケやマンセルやブーツェンやモレノを応援する一方で、中嶋悟鈴木亜久里を応援できる、その二股状態(二股?)。卑屈といえば卑屈かもしれませんが、いろいろな分野でそういう楽しみ方もあるのではないかと想像します。具体的には、ほかに出てこないけれども。

その実、どんなサッカーが展開されるのかは知りもしなかった。

 して、そのアルゼンチンのサッカー。今回は、事前に予習していました。優秀なフォワードがたくさんいて、守備は本職センターバックが四人、これです。さらには、メッシが自由にやる、作戦はメッシ、だという。たぶん、こんなチームはほかにありません。なぜって、メッシがいないから。
 そのサッカーがおもしろかったか? 私にはおもしろかった。メッシの異常な動きは言うに及ばず、大好きなテベスはよく走りまわって守備にも貢献して、解説者から「アルゼンチンの魂ですよ!」とか言われていましたし、イグアインはいいところで決め、エインセはイケメン、サムエルは渋い、マスチェラーノはたぶん日本で言う阿部のような活躍をしていたのだろうし、マキシ・ロドリゲスディ・マリアもサイドから躍動し、ベロンもたまに出てきて大きなサイドチェンジしていました。まったく最高です。
 で、それがなんだったのでしょう? さあ。結局、組織力に加えて個人技も勢いもカーディガンもあるドイツにぶちのめされて終わってしまいました。まあ、結局このやり方じゃダメでした、みたいな。それとも、本来のメッシはこんなもんじゃないのでしょうか? ゲームメイク的な部分はべつの人がやって、もっとゴール前で自由にやらせればよかったのでしょうか? じゃあ、誰がメイクすんのですか? ベロン? パストーレ? 選ばれなかった誰か? わかんね。まあいいや。

そして、最後の方はヨーロッパの強豪の対戦となり、なんとなく興味が薄れて終わった。

 そして今回もこうなりました。自分でもよくわかりません。たとえば、ダイジェストを見ていてスペインのパスサッカーにはうなりますし、イニエスタなどすごいと思う。思うけれども、どうもピンとこないのです。ドイツの強烈なカウンターなども相当にすごいと思ったのですが、あまり興味がわかない。試合を見ようという気にならない。でも、やっぱり今回もメキシコはもっと見たかった。スペインとメキシコのパスサッカーの、どこが違うのでしょうか。これってなんでしょう。
 単に、ひいき? というあたりでしょうか。2003年のトヨタカップでたまたま見た(もちろんテレビで)テベスを追っかけてここまできて、結局サッカーには触れていない、というような。なんとなく、そういう気がしています。だって、わかんねえもん、たとえば日本代表が押されまくっててどうしようもないように見える時間帯について、あとから「積極性が足りなかった」とか言われても、「えー? そうだったの」みたいな。
 つーかさ、さらにサッカーの美しさ、美的価値観みたいな領域の話題もあんじゃん。もちろん、そんなの初心者、門外漢が見てもしょうがねえ、むしろ、過剰な情報は毒とも思うけど、かといって夕刊フジの久保の記事読んでてもしゃあないし(会見での質問、本当にしゃあないもんだったなー)、そんなところ読むと、ますますわけがわからん。好きなチームが勝てばそれでいいんじゃねえのか?

どの戦い方が良いか誰も分からないし、勝った者が一番強いんで、それを追求するのがサッカーだと思うし、面白くないって言われても僕たちは勝っているっていうふうに言える。それが海外の戦い方であって、それをどう思われるか分からないけど、自分としては勝ったことが素晴らしい。それだけです。

http://southafrica2010.yahoo.co.jp/news/cdetail/201006300003-spnavi

 なー。それで、ファンつーのか、サポーターが「自分たち」意識を持つには、やっぱり「好きなチームがある」ってのが第一じゃねえのか。

Jリーグのレベルアップをしなければ、代表のレベルアップはない。
サッカーファンも代表だけを応援するのはやめてほしい。

http://soccer.skyperfectv.co.jp/worldcup/column/vol25.html

 すると、もう、俺はにわかオシム信者みたいでこういうこと言うのはかなり辛くて仕方ないが、残念ながら俺、ちょっとJリーグで「好き」が無いんだわ、今のところ。それで、やっぱり「好き」ってのは無理やり作るもんじゃねえよなあ。ほら、恋愛だって、こっちから好みのタイプ探していったらだいたい二次元に潜り込むはめになるわけで、だいたい現実には最初に「好き」が来ちゃうもんじゃねえのか? 違うか? ガハハ、わからん!
 って、これで思い出すのが、Jリーグが始まったそのときのことだ。Jリーグが始まる。サッカーブームだ。コロコロコミックもラモスの漫画とか載ってる。「せっかくだから、どこか応援しよう」と思う。
 が、「せっかくだから」のところで、もう「好き」って気持ちからかなり遠いんだ。無理やり縁を作ろうとすると、うまくいかねー。結局、「野球では広島カープのファンだから、サンフレッチェ広島だろうか」とか「サッカーでは地元の横浜だろうか」とか「ともかくクソ読売のヴェルディだけは地獄に堕ちろ」とか思ってて、ヴェルディ嫌いだけが残った、みたいな(巨人偏向報道は他チームファンのガキをここまで歪ませるほどひどいもんだったぜ、当時は!)。
 それで、サッカーっつーか、Jリーグに対しては、そのときの気持ち引きずってるんだよ。なんかわかんねーけど、そうなんだ。それで、俺は、ブームが去ったらサーっと引いていく、そういうにわかミーハーだってことだ、少なくとも今回は。
 で、なんでわざわざこんなこと書いてんの? べつに書かなくていいじゃん。俺だって日本代表応援してたし、そのベースとなるJリーグに盛り上がってほしいと思う。ブームに乗っかって入っていって、「サッカー好きになりました! Jリーグ見ます!」ってポジティブ意見は書くべきだけど、こういうネガティブなの必要あんの? 
 知るか馬鹿。だいたい、人間、何かをほめようがけなそうが口をつぐもうが、他の誰かにとってのクソ舐め野郎である可能性から自由になれない。だったら、口からクソどばどば吐き出すしかねえんだ。
 いや、そんなこたねえか。つーか、べつに俺はそんなに俺の中のJリーグ性を否定する必要はねえんだ。だいたい、俺は普通に6億円必要なので、毎週totoBIG買ってるじゃん。なーんだ。いける、まだまだ行けるぜ。ほら、サッカーは現地で見たほうがいい、みたいな意見もあるじゃん。

総括としては、サッカーは生で見るのが面白い。野球を生で見るより面白い。ただ、門外漢、いや、俺という人間には居心地があまりよくないところもある。ユニフォーム来てサポーター面すればガラッと変わって同化の気分が高揚しそうなのはおおいに想像できるが、サッカーを知らないのにそういうことをするのは、ちょっと気が引ける。でも、生で見る試合は十分、十二分におもしろかった。声も出せた。機会があったら隅っこに紛れ込みたいと思う。

J1-24節 横浜Fマリノスvs名古屋グランパスエイト - 関内関外日記(跡地)

 ほら、こんなこと言ってるやつがいる。誰? 俺じゃん! 十二分におもしろいとか言ってる! やったー! なにこの、おためごかし! うそうそ。いや、ほんと。あ、うそ。いや、まあ、なんだ、この後一回も行ってねえし。けど、ここまで書くのはそこまで悪い思いをしたわけでもないんだろう。本当にサッカー観戦がクソだと思ったら、Jリーグファンに嫌われないような配慮などしない書き方をするはずだからだ、たぶん。
 いや、この書き手、嘘が多くてあてになんない。でも、行間から真意を読み取る。……なになに、あんまり日産スタジアムがでかくて好きになれない? じゃあ三ツ沢公園行け、行くか。行かないかも。わかんない。けど、写真とか撮りたいし、行くかも。
 それで、もし日産が府中だとして、三ツ沢が川崎くらいだったりしたら、好きになれるかも。けど、だいたい他人とかいう生物が多い空間嫌いなんだろ、俺。だから野球場も嫌い。でも、競馬場とかは、大勢の他人がそれほどつるんでなくて、それぞれ勝手に好きなようにやってんのがいいんだ。居心地がいい。
 でも、俺、今、『サカつく』やってんじゃん。それで、なかなかJ1優勝できねえの。だから『ラブプラス+』とかいっさいプレイしてないし(熱海ツアーとか、俺の知ってるラブプラスとは微妙に違うし!)。でも、『サカつく』で選手の名前覚えたりしたら、お前、ダビスタから競馬に入るみたいなのあるだろ。って、なんかほとんど日本代表みたいになってんだけど。小笠原がゲームメークしてね、みたいなチームになってる。なんだ、俺、ひょっとしたら、やっぱりなんかそういうサッカーが好きなのか? 全員がポリバレント? 攻守にフィジカルを活かしまくって、すごい連携して、スピード、スピード、みたいなのじゃなくて、司令塔みたいなのがいて、ほら、ファン・ロマン・リケルメみたいなのがいて、あと、中村俊輔とか、アルバロ・レコバ(なんでレコバ知って、好きになったんだか忘れた)みたいな天才肌が一発で展開を変える、とか。
 いや、そんなサッカーがあるのかどうかもわからん。わからんが、どうも、なんだ、わかんねーな。まあ、しばらく、サッカーの話題は出続けるだろうし、ひょっとしたら、四年後まで興味をつなぐかもしれねえし、つながないで、また四年後ににわかミーハーとして顔出すかもしれねえし、まあ、6億円の当たり具合によってはもっといろいろ趣味に費やす時間も多くなるだろうし、それ次第ではあるか。そんなところで。