上野〜浅草
あのあたりには一度行ってみようという話になっていた。俺は、古いサライの特集記事についていた地図を持ってきていたが、あまり見なかった。
どこから浅草に入ったのかわからないが、古い建物なども残っている。
祭りの気配
なんか、だんだんお祭りの気配になってくる。いくつか寺社らしきものもあったし、町内会のお祭りだろうか?
雷門に近づくと、ものすごい人。なんか神輿が来るが、この交差点は歩行者天国になっていないという無茶。
信号を守ってください! と呼び掛ける警察。路上のおっさんがどなりつけたりする。俺はもちろん、おっさんより官憲を応援。かわいいは正義。
雷門がぺしゃってなってんの。同行者が「がっくり」などと言う。祭りに遭遇したほうが貴重なんじゃないか……?
こうやって神輿が通るようになってんだね。
仲見世
まあ、ようするに、町内会のお祭りは町内会のお祭りだけれども、有名な浅草三社祭の、たくさんの町内会が参加する日、だったみたい。メーンは日曜日。ただ、報道によるとほとんど一般客は入れないみたいだから、この日で正解、か。いや、偶然だけれども。
ものすごい人でごった返していたけれども、仲見世通りは面白いなあ。フレッシュプリキュアってこんなん?
店先にいた美少年。不況で外国人観光客が減ってるなんて話もあったが、さすがにトーキョー、アサクサ、すごい多い。それで、こんなんで「ニンジャ!」って言って、おまえ、土産物買わせて、最高じゃねえか! スモウ!
本堂付近
煙を浴びたりして本堂へ。ちなみに、煙はちゃんと線香買った。フリーライドよくない! いや、別にいいか。しかし、だいたい頭にかけるね。でも、一日に何人か、何十人か、股間あたりにもっていくおっさんとかいると思う。これが昭和なら、スケベ部長が女性部下の胸のあたりに煙を送り、「ペチャパイだと嫁のもらい手がないんじゃないかネ、ガハハ」とか、そんな感じだと思う。
しかし、ちゃんと手と口をすすぎ、お賽銭を投げ入れ(二度)、お参りしたところ、こんな幸せのオーラ溢れる写真が撮れた。写っているのは知らない方たちだが(急にフレームインしてきた)、むしろ仏の化身と考えた方が自然だと思う。あと、このくらいのボケなら肖像権はクリアされていると思うが……。
ちなみに本堂は改装中。この足場は足場で、なんかSF? 近未来? っぽくてよかった。
WINS浅草
本堂お参り後、さて戻ろうかと思いきや、出ていた神輿がどんどん帰ってくるので、帰るに帰れず、さあどうしようと、横に抜けてみれば「WINS浅草150m」のような看板。迷わず進む俺。
急に立ち現れたパステルカラーの威容。これが浅草場外! 浅草場外に死す(昔、内外で連載していた予想読み物)の浅草場外! この日は土曜日、バッグには新聞。迷わず入る俺。一番近いレースは……、京都9R、京都ハイジャンプ。重賞じゃないか。これも何かの運命。ものすごく久しぶりに紙の馬券を買う。
買ったのはトーワヒヨシマル、六番人気。前半は後方にひかえ、徐々に進出、一瞬やってくれるかと思ったが、最後は引き離されて五着、ご苦労さん。
ああ、しかし、なにもかも変わらん。俺は、浅草場外の扉を出て、そのまま左に向かったら桜木町の駅が出てくるんじゃないのかと思った。たぶん、日本中の場外は同じ人間が同じだけいて、同じことをしているんだ。いや、世界中、世界中みんな一緒なんだ。世界中の馬券人間、ブコウスキー族は、世界に同時に存在して、滅することはないんだ。永遠の競馬だ。すばらしい。
とはいえ、場外を出れば花やしき。ああ、すばらしい浅草、すばらしい日。おみくじで引いたのが、ほぼ凶の内容の「半吉」(引いたのは生涯二度目)であって、そのあとすぐに仕事の電話が入って急遽事務所に戻ったけれども、すばらしい浅草、今度は雷門がいつもの姿のときに……!