はじまりとおわりの万引き

 今朝、コンビニの前を通って、ふと、さきいかを万引きして逮捕された(元?)日本赤軍の女性兵士の話を思いだした。最近の話だ。もう、60を越えて、そのような容疑で逮捕されたのだ。俺は、ふと、変なところに回路がつながる。
 で、そういえば、山本直樹『レッド』の巻末対談で、たぶん押井守が言ってた思うけれども、非合法活動に参加する学生に、まずやらせるのが、万引きだという話があったっけ、と。
 万引きによって、インテリのまじめな学生に、一般社会、ルール、法律との切断をさせ、反社会、反体制、非合法を選ばせる、ある種のイニシエーションなのかもしれない。
 で、万引きの成功率というようなものはよく知らないが、なんかそこで捕まっちゃうやつもいるだろう。「お前、やってこい」で、やってみたら、店員に「コラー!」みてえな。で、場合によっては、そこで、ようわからんが、警察に捕まったり、家族が出てきたりして、ようわからんが、そういう活動から身を引くことになる、入口で引き返すことになる、という可能性だってあるんだろう。
 でも、実際のところ、そんな万引きをみんながみんなやっていたのか知らないが、まあ、世に名を知られるような活動家になるということは、そこんところの、はじまりの万引きにあたるものをうまくやりおおせたということだろう。それが、そいつの運命だったんだろう。まあ、捕まっても、なお不屈の闘志で活動に身を投じたりするケースもあるかもしらんが、ともかく、なんだ、やっぱり運命なんて決まっているのかもしれないが。
 それでもって、言うまでもないことだが、最初に思いだした元(?)兵士、はじまりの一歩で万引きしたことがあって、それがさきいかだったら、話はちょうどいいのにな、などと思った。なにが「ちょうどいい」のかわからんが。まあ、朝、ただそれだけ。

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