始まるまえから終わってた生あたたかい屍Y150についての覚え書き


 「生きているかと思ったら死んでいた」のではありません。ましてや、「死んでいたと思っていたら生きていた」ということもない。あるがままに生あたたかい屍、そのようなものを、私は6/27、みなとみらいで、見たのです。生あたたかい屍、現在進行形の反省会、不毛と徒労。たんにお金の、税金の問題ではない。おおぜいの人間がたずさわり、なにかをなそうとしたことが、こうなってしまう、そんな悲しみを、私は見たのです。

NISSAN Y150ドリームフロント & スーパーハイビジョンシアター

 
 はじめに向かった会場がここです。一番奥にある。奥に行ってみたら、がらんとしていました。開港祭の日は、それでも護衛艦しらゆきとクアウテモック号目当てに大勢の人がいたものですが、そんな気配もありません。大行列を仕切るためのコーンもむなしい。これは、阿修羅展のようなイベントに用意されるべきものなのでしょう。

 というわけで、結論から言いますと、このイベントのよいところは二つある。一つは、行列に悩まされることはない、いっさいない、ということ。人ごみ嫌いの自分が、その点ではストレスフリーに過ごせました。ふだんのみなとみらいより、人が少ないかもしれない、というくらいです。もう一つは、仮設トイレが非常にきれいなことです。仮設といっても、きちんと陶器製の、センサー付きの立派なやつが設置されているのですが、これがえらくきれいなのです。なおかつ、空いています。クイーンズモールのトイレの方がよほど混んでいるでしょう。この点が、とてもよかった。
 これは、会場の奥にあったなんらかの設備。よく読みませんでしたが、大正あたりに造られたもののようで、これには興味をひかれました。Y150とは関係ありません。

 写真はありませんが、スーパーハイビジョンシアターはなかなかの見ものでした。なぜか座らせてくれない、非人間的な扱いには多少イラッときましたが、なるほど、この大きさ、この高解像度、エロビデオなどを作ったらどうなるだろうと思わざるをえません。また、音響がすごいのですね、そう、むしろ音に驚いた。スピーカーを通したものとは思えない音が、ここそこからするのです。これを会場中に仕込んでおき、「楽しいね!」、「来てよかった!」、「また来たーい!」などと流せばいいのに、とアドバイスしておきます。

 暗い部屋におしこまれて、ダンボールの椅子に座らされ、上に設置されたたくさんのテレビで、日産の宣伝を見せられます。エコ、エコ言ってます。最後に、コンセプトカーがくるっと回ります。だからなんだ。だったら、いっそのこと、新車ショーにでもしてしまえばいいのに。

 ようやく、なにかお祭り的コーナー。紙に何か書くと、上に吸い上げられます。

ラ・マシン







 ……「どうにかこれで満足して下さい」という、せめてもの落としどころが、この「ラ・マシン」ということになります。たしかにこれは見ものです。しかし、街中を練り歩いたときが最高潮だったんじゃないでしょうか。あと、自分的には、山下公園の片隅で制作現場をのぞき見たりもしたけれども、もう、見慣れてしまっているという感も否めず。
 まあ、動いてみれば、たしかにこんなにばかばかしくでかいものがガッコンガッコン動くというのは楽しい。楽しいけれども、もっと不意打ちみたいに見たかった、とも。もっと、正面から見れば違ったかな。まあ、しかし、これは、これで、ここんところは、いいんじゃないのかしらん。でも、もっと、なんか、上から見たいとか、そんな風にも。
(面倒くさくなったから、ですます調やめます)
 しかし、これが、横浜に残らない、というのはつまらない。本体も買い取って、そこらへん、うろうろさせればおもしろい。市長とかが、これにのって大名行列すればいいと思う。
 あるいは、横浜スタジアムで、リリーフカーがわりに使ったらどうだろうか。ピッチャーが小林から那須野に変わればガション、ガション、ブシュー! 那須野から山口でガション、ガション、ブシュー! はじめは面白がられるけど、たぶんうざくなると思う。

アースバルーンとか、はじまりの森とか、BATONとか




 もう、面倒くさくなったので、えーと、アースバルーンは、想像してたより、この、なんというのか、スクリーンとして面白いというか、ものを映す装置としてはおもしろかった。ただ、内容は、超短いし、なんかエコエコ言うだけだし、そんなにおもしろくねーの。でも、装置としてはおもしろいから、これ、ずっとここに置いて、日産とか横浜銀行とかが好きなだけコマーシャルフィルム流せばいいと思う。けっこう近未来って感じだと思う。
 はじまりの森はひどいな。タダで入れる大桟橋や山下公園、象の鼻パークの方がいいだろってぐらい。とくに、文化祭みてえな開港の話の展示がしょうもない。別にこんなのここでやんなくてもいいだろ、みてーな。仕掛けもしょうもない、なんかこれで、ハンズオン展示です、みてーなことなのかどうか。あと、水滴が内側からついてんのは、作りが甘いんだよ。
 でも、なんかテントの中で、ラ・マシンのラフ画みたいなのの写しが飾ってあって、あれはすてきだった。あれのTシャツとか売れよ。

 そんで、BATONだけど、俺、見たの第二話だったんだけれども、ただでさえ本格SF風の話をよ、真ん中だけ見せられてどうすんの? って。そりゃあね、それなりに面白そうだったし、上戸彩は声優うめーなーとか、そういうのはあるけど、わざわざ実写からの加工も、『スキャナーダークリー』よりもずっとカクカクしてっし、なんか、ひょっとして、すごい金かかってるのに? みてーな。だったら、ヱヴァの序でもやっとけよ、とか無茶なことを思ったり。
 つーか、この、映画三つにぶった切ったら、三回来るだろ、みてーな、そのあたりのホスピタリティのなさというか、そのへんが、どうもこのイベント全部にあるような気がしてならねー。金もアイディアもありませんでした、というあたりなんだろうけれども、どうもよ、どうなんよ? 中田市長−。

たねまる、さようなら




 それで、えらく充実していたのはたねまるグッズよ。俺ね、別にたねまるには悪いイメージなかったわ。ちょっと好きだから、なんか買ってもいいと思ってた。思ってたけど、最後に寄った土産コーナー(上の写真はドリームフロントの売店)で、これでもかと並んだたねまる見てたら、なんか悪いけどムカムカしてきたわ。買う気がしねー。大人の事情かなんかわかんねーけど、「よいにゃんこ」を名乗るひこにゃんとのコラボや、だれとでも寝るキティちゃんとのコラボだとか、もうともかく、まあ、「たねまるひこにゃんくらい流行らねーかなー」って、どっかのおっさんが言ってるのが聞こえてくるようで(本当なら幻聴です)、もう買う気なくなったね。連れの人に、ペリー・テイト君(これも有料会場でしか買えないというしょうもなさ)プレゼントしたけど、自分ではなにも買う気しなかった。
 あー、だから、横浜市民は、まあ、ちょっと後世に語りつぐために行ってもいいかもしれねーけど、遠くからは来てくれるな。悪いことはいわない。まああれだ、別に普通にみなとみらい見ればいいよ。金払わなくていい。いや、マジ、そんなところでさ。まとめもなんにもねーよ。そんじゃー。

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