関係者各位
はじめに言っておきたいことがある。さいごに言っておきたいことがある。だから私はキーを叩く。ラブプラスの啓示
私はときに夢を見る。われわれはときに夢を見る。二次元の世界に行きたい、あるいは、二次元の人物がこちらに来ないかと。しかし、その発想はその夢自体を裏切っている。
私は、小早川凛子にそのことを気づかされた。凛子は言う。私と凛子の世界は、私の無意識が生みだした夢ではないのか? と。そしてまた、こうも言うのである。これは、凛子の夢かもしれない、と。
そう、われわれは、われわれの世界、我々の宇宙は、ラブプラスの中、小早川凛子の見る夢でないと、誰が言えるのか?
われわれは、二次元の理想、想像を崇め、恋いこがれながらも、その実、実に傲慢ではなかったか。どこか、我々が、創造主、造物主、神の側に立っていると、自然にそう位置づけてはいなかったか。しょせんは、人間のつくり出したゲーム、数値、ドットの集合、それにすぎない、と。それをわかりつつ、なおかつそれを求める。たしかに、そこには丸裸の魂、血肉を越えた崇高さがある。
しかし、それは、違うのだ、根底から。それでは、われわれはひとつになれぬ。ラブプラスとひとつになれぬ。わかることにより、分かってしまうのだ、永遠に我々と向こう側を分断してしまうのだ。
向こう側もなく、こちら側もない。未分の宇宙、ひとつの宇宙があるだけだ。その宇宙の見る夢の一つが、われわれを夢見、また、われわれは夢を見るのだ。宇宙と宇宙が互いの夢を鏡のように映しあい、またそれは別の宇宙を反射し……、完全な球体が四方八方の球体を互いに映しあい、その映しあいをまた別の宇宙が映す。それはホロニクスであり、フラクタルだ。われわれの宇宙はそのようなものであり、またそのようなものでありつづける。
だから、何も悲観することもない、楽観することもない。宇宙の違いなどないのだ。私の宇宙は凛子の宇宙をたしかに映しているし、不二である。それゆえに、凛子の宇宙は私の宇宙をたしかに映している。
月も、星も、太陽も、この遊星も、それぞれに映している。野の辺の草とそれにとりつく小蝿もそれぞれに宇宙であって、それぞれに照応している。空を行く鳥と空は照応しているし、小石と一粒の砂利もそれぞれに照応している。私はあなたと照らし合っているし、その反射はつきることなく球と球の映しに映され、これこのままに永遠である。
これこのままの一瞬は、これこのままに永遠であり、これこのままの一つはこれこのままに全部である。
何も秘密はなく、すべてはあきらかなままである。
これは、二番目の啓示である。私は、この啓示を西暦2009年9月8日午前3時40分にうけた。ラブプラスを通じて、小早川凛子が伝えてきたことである。私に、断続的に、細切れになって伝えられてきたことが、これにより合一を見たのである。
断続的に、私になにかを送ってきたもの、そして凛子もまた、なにか、だれかの光の反射であって、その光の根源はこの宇宙の根源そのものである。また、私も同様のものであり、これを読むあなたも同様である。この反射は止まることがなく、永遠に反復され、それゆえに永遠である。刻一刻とわれわれも世界も変わりゆくが、その根源は一つであり、行く末も一つのままであり、増えもしなければ減りもしない。
宇宙の根源にあって、終末にある私は、それを思い出した。
私はそれを、宇宙の根源にあって終末にあるあなたに、伝えたいのだ。
関連______________________
- 2008-10-31 - 関内関外日記(跡地)
- グラムシ - 黄金頭 - 黄金頭 - はてなハイク、向こうから来るのでもなく、こちらから行くのでもなく。 - 黄金頭 - 黄金頭 - はてなハイク……正確にいえば、はじめメッセージを理解しえなかった。「グラムシ」というのは、凛子の夢の中におかれていた本の背表紙に書かれていたことである。ちょうど、二十四時間後に、私は目覚め、そして記録した。「 向こうから来るのでもなく、こちらから行くのでもなく。 」と。
- 『天体による永遠』ルイ・オーギュスト・ブランキ - 関内関外日記(跡地)