曹洞宗総本山総持寺に参る

 先日、花月園競輪場を訪れた。山手の駅から京浜東北線に乗り、鶴見駅で降りた。鶴見の駅に降りるのもはじめてだったので、無料バスを使わず、散歩することにした。

 総持寺があることは、事前に地図を見て知っていた。近くを歩いてみて、すぐにわかれば寄ってみてもよし、よくわからなければ素通りしてもよし、のつもりである。して、ひじょうに大きな案内看板があり、右折してお参りした。

 総持寺といえば曹洞宗であり、曹洞宗といえば道元だ。道元と言えば『正法眼蔵随聞記』を読んだことがある。

 とはいえ、そこらへんに道元がいたりするわけでもなく。

 このお寺は車に優しく、通行人に厳しい気風であった。

 紅葉にひかれて小高い山の上に登り、穴熊稲荷さまとその奥の三宝荒神さまのあたりをうろうろしていた。お稲荷様はこわいので、気づいたらどうしてもお賽銭いられずにはおられない。

 三百円の拝観料をおさめて、宝物殿にも入った。中国渡来の弥勒菩薩坐像に、中国服の襟のようなものがあっておもしろかった。あと、貝多羅葉というヤシの葉に書かれたお経があった。

 タラヨウの「多羅」は、こちらが由来だったのか。勉強になる。

 広く、そしてどこが一番メーンのお堂なのかわかりにくい。おそらくあの大きなものだろう、と見当はつけたが、なんとなく左にそれて、そのまま帰ってしまった。

 今度、『正法眼蔵』を買ってみようか、などと思う。お寺の影響を受けたというよりも、ふと『随聞記』を開いてみたらおもしろかったから、なのだ。まあ、間接的には影響を受けたのかもしれないが。
 ただ、なんだろうね、こう、俺はあんまりお寺にピンとこないな。まあ、なんだ、たんにカメラもってうろうろしてもくることはないか。道場とか入って、坐禅体験とかするのかね、とか。