臑毛考

 先日、花月園競輪を訪れ、いくらか競輪に興味を持った。いろいろウェブを検索していると、次のようなエントリーが目に入ってきた。

競輪選手はなぜすね毛を剃るんですか?

【回 答】
安全のため。

【理 由】
すね毛があると、落車したとき、すね毛が滑り止めになってしまうから。
つまり、皮膚とコンクリの間に毛があると滑らず抵抗が生まれます。
皮膚がコンクリートの上を滑らないということは、毛がブレーキの役目を果たすのだから、皮膚がベロンと剥がれてしまい、擦り傷ではなく、肉が剥がれてしまうことになります。
このような理由で、体毛はないほうがいいのです。

競輪初心者質問 Q&A :⑥ 競輪選手はなぜすね毛を剃るんですか? - livedoor Blog(ブログ)

 へえ、そうなんだ、と思った。たしかに競輪選手はすね毛つるつるだし、テレビの中継で、レース前最後にベビーオイルのようなものを塗っているのを見た覚えもある。あれは怪我対策だったのか、と。
 ……と、まあ、そのときはそのくらいに思った。で、自分はなんとなく意味もなく剃毛する趣味はあるけれど、そんなに速く漕がないというか、漕げないし、あんまり関係ないかな、と思った。
 思ったのだけれど、たとえばトイレでズボンをおろして、すね毛を見るじゃない。すると、こないだ剃ったあと、ちょっと伸びてきていてね、それを見ているとどうも上のテキストが頭によみがえってくる。

皮膚がベロンと剥がれてしまい、擦り傷ではなく、肉が剥がれてしまうことになります。

 それで、なんか、ゴルフでダフってしまって、土ごとえぐられる芝とか、映画『イングロリアス・バスターズ』ではぎとられる頭の皮とか、そんなのが思い浮かんでしまうようになった。剃ろう、剃って、ぴかぴかつるつるにしておこう。そう思った。まあ、自転車的には、レッグウォーマーとか履いてて生足晒しちゃいないのだけれども。
 しかしなんだろうね、すね毛ってね。こう、人類に、って、まあ人種や性別によって度合いは違うけど、すね毛ってもんが残ってるわけだ。ということは、この進化の過程においてね、「人体にすね毛があったほうがいいな」ってことになったんだろう。いや、俺は、空飛ぶスパゲッティ・モンスターインテリジェント・デザインしたって立場なんだけれども、まあ、そういうことだ。
 となると、なんというか、この、進化の過程において、人体が時速50km/hとか60km/hとかでコンクリートとかに叩きつけられて「皮膚がベロンと剥がれてしまい、擦り傷ではなく、肉が剥がれてしまうことに」なるようなことは、まあ、考えられていなかったと。誰が考えてなかったかっていうと、スパゲッティ・モンスターなんだけど。
 逆にこう、「すね毛のおかげで助かった」みたいなケースもあったに違いない。なんかこう、山歩いてて、斜面を滑り落ちるはめになったけど、すね毛の抵抗で谷底に落ちずに済んだ、みたいな。だから、ひょっとしたら山男とかはすね毛をすごく濃くしているかもしれない。していないと思う。
 あと、すね毛を鋼鉄のような硬さにして相手に蹴りを見舞う能力者、とか。これは雷電も知らなそう。
 あの、すね毛について考えても、なんか結論とか出ないし、これでおしまい。

追記______________________

 なんか脚の写真ないかと思って(ねえよ)、適当に見てたら、ロッククライミングする人が出てきた。鷹取山行ったときだな。すね毛、剃ってるみたいに見える。やっぱり擦過傷というか、肉剥がれ対策なんだろうか。


関連______________________

先日、落車で全身傷だらけになりました。
わき腹を六針縫い、足も多数の深い擦り傷をおおってしまい大変です・・・。
その治療の際、足の毛がないことに医者が感心していましたよ。
やっぱり毛があるよりは、ないほうがイイ。

レーパンをはく場合,すね毛を剃るのは何故ですか? - 皆さんの... - Yahoo!知恵袋

 ……というようなロードの人の話も見つけたし、やっぱり「皮膚がベロンと剥がれてしまい、擦り傷ではなく、肉が剥がれてしまうことになります」ってことがあるんだろうな。おそろし。