イセザキモールの果て、シネマ・ジャック&べディにて。
この映画のことを知ったのはいつだったか。新木場のくるりのコンサートで、新曲をやったさいに岸田繁が紹介していたのが最初だったか。この映画の音楽は岸田繁、主題歌はくるりの「キャメル」、主人公ふたりが吸っているのはマルボロのメンソールとラッキーストライク。
主人公ふたりは瑛太と松田龍平。どちらもよかったが、松田龍平がとくによかった。俺はこの映画の松田龍平がかっこいいと思うし、この映画の松田龍平のようになりたいなどと思う。恥ずかしながら申し上げました。あの、走るフォームね。ちなみに、松田龍平と弁当屋の大森南朋の組み合わせはというと『ハゲタカ』で、大森南朋と監督と麿赤児の組み合わせはといえばファミリーなのである。
ファミリー、家族をめぐる話と言ってもいい。瑛太の過去というとやけに入り組んでいてまた松田龍平も同様なのであって、そこまでねじ込んで、ひねりこみますかというところもあるが、悪くないのである。松田龍平の過去に絡む本上まなみなどすばらしい。キャスティングがみなすばらしいように思える。
というか、かなり面白かったのだけれども、どうなのだろうか? どうなのって、なんというか、まあ世間のことは知らないが、いや、面白かったぜ。けっこう笑えるシーンもあったぜ。なんかこのキャストで定番化してってもいんじゃねえのって気がするぜ。うん、すげえ観たい。
さて、しかし、それはともかく、この話の舞台となる「まほろ」は完全に町田のことである。海炭市のようでありながらも、町田そのものといっていい。なぜ町田でなく「まほろ」という北海道の地名みたいなことにしたのかなどという理由は知らない。原作未読である。
して、俺はといえば、町田は無縁な町ではない。
祖父母が住んでいたのである。何度も訪ねているし、この間も行ったのである。ゆえに、映る風景、映る風景、どこか見覚えがあるといっても過言ではない。あの川沿いなど、まったくよく知っている……ような気がする。あるいは、あの基地だって厚木基地に違いないし、あれは芹ヶ谷公園かなどと。そしてまた、冒頭で述べられていた、「一生ここから出て行かない」、「出て行っても帰ってくる」というような話も知っているのである。というか、あまりにも身近な実例といっていい。ああ、町田。と、この町田的雰囲気が全国区でどこまで通用するかわからん。わからんが、なかなか微妙なところに目をつけたなという感じもある。ただ、便利件というには大都会すぎる感じもするが、まあ俺は町田の裏路地をよく知っているわけではない。町田あたりに住みたいかというと微妙なところで、最近この横浜市中区というあたりはかなりいいんじゃないかなどと思っている。いいんじゃないかなどと思うことは、もう失うに違いないという確信が同時にある。
まあ、それはともかく、そういうわけで、けっこう面白かったぜ、って先に書いちゃったので、とくに〆らしいものもなく終わる。ああ、あと、松田優作を使ったギャグがあって、あれはよかったな、うん。それじゃあ、なんじゃあ。
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