- 作者: 松田洋子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
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極悪な祖父母とちゃらんぽらんな父親、苦労させられっぱなしでギスギス状態の母親。生まれながらにしてハードウェイを進まざるを得ないヨウコちゃんの人生は、まるで梁石日の名作『血と骨』を思わせる。
http://www.sakuranbo.co.jp/livres/cs/2014/07/post-99.html
そして、この一文を読んでしびれた。『血と骨』を思わせると、そう『果てしなき渇き』の著者が言っているのだ。どれだけのもんだ。すぐにでも読んでみたい。そう思ったので、そうした(Amazonでぽちっと)。
とはいえ、おれが松田洋子を知ったのはずっと昔の事になる。ほぼリアルタイムで知った『薫の秘話』だ。四方八方に爆弾を投げまくるようなダークなギャグ漫画。大好きな作品だ。その後、『赤い文化住宅の初子』も読んだ。検索したら感想があった。それももう10年近く前になる。おれは『初子』について次のように書いた。
昼休みに松田洋子に泣かされそうになるとは思わなかった。松田洋子と言えば何と言っても『薫の秘話』(ASIN:4309264476)で、モーニングに掲載されていた時から大好きで、その後苦労して古本で何とか二冊揃えたくらいであった。で、その後ははっきり言って自分の知る範囲から名前を見なくなり、ふと検索していくつかの著書を知った。そして買ったのがこれである。
『赤い文化住宅の初子』松田洋子 - 関内関外日記(跡地)
そしてまたおれは、昼休み松田洋子を読んで……自伝的作品「平凡なヨウコちゃん」を読んで……今度は泣かされそうにはならなかった。圧倒された。どこまでがリアルかわからない。むしろ、そんなことを忘れるくらいのストーリー。大阪、広島、底の方の、陰の人々のリアル。家族と血と地。
そしてなんというのだろうか、緩急の巧みさ。「技巧どころじゃねえだろ」という話でもあるのだが、やっぱりそれでも、ここぞというところの人物の表情、一転してギャグタッチ、緻密さと空白……。なんとまあすげえ漫画だ。それに、幼稚園になじめねえところがいい。おれもそういう人間だった。幼稚園になじめない人種ってのはいるんだよな……。ハードウェイのヨウコちゃんに比べりゃ、おれなんて山の手のお坊ちゃんもいいところだけどさ。まあ、おれんところだって、キレると広島弁をおやじが家庭を破壊していったんだから、そんなものだろう。
その後に表題作「好きだけじゃ続かない」を読んだ。こちらも田舎の初恋の切なさと……あの、湧き上がるような恋のやりとりが描かれていた。読み返しては止まらない。
というわけで、持ち前のブラックさに、なにかこう必殺の松田節のようなものがあって……、いや、やられたなぁ。参った、という。しかし、あの『薫の秘話』の松田洋子がさ。そういえば、おれは「松田洋子」を「まつだひろこ」と読んでいたのだろうか「まつだようこ」と読んでいたのだろうか。永田洋子と一文字違いだな。まあ関係ないんだけれども。そんであれだ、『ママゴト』も読んでみなきゃあかんだろうなぁ。おしまい。
>゜))彡>゜))彡>゜))彡
- 作者: 梁石日
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- 作者: 松田洋子
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