映画『ふがいない僕は空を見た』を見た

今週のお題「ふつうに良かった映画」

ふがいない僕は空を見た [DVD]

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 たまたま「今週のお題」が「ふつうに良かった映画」だったのでリンクしてみたが、はたして『ふがいない僕は空を見た』が「ふつうに良かった映画」なのかどうかはよくわからない。
 おれはこの映画を高校生と年かさのコスプレ趣味の女性がくっついてやりまくる映画だと思っていた。そればかりの映画だと思っていた。おれは20歳年上の女と付き合って10年以上経つが、出会いは高校生のころではなかった。おれの付き合っている女は田畑智子より美人だ、と言いたいが、それはどうでもよろしい。
 ともかく、そのやりっぷり、やるのに耽溺するあたり、溺れていくあたりというのが非常によかった。もって生まれた厄介なものの命じるままにやってやってやりまくる、もっとやったってよかったんじゃないか、と思う。それにしたって、しかし田畑智子の夫と姑とか、ああいう世界というのはあるのだろうか。おれにはよくわからない。あるのだろう、たぶん。
 が、話はそれだけではないのだった。主人公と田畑智子(舌を尖らせて)ばかりの話ではないのであった。この社会の格差、貧困。それを「団地」というところに象徴させて、もう一人の男子高校生の話が乗ってくる。いまウィキペディアを見て知ったが、この監督は『赤い文化住宅の初子』の監督もしているじゃないの。説得力ある。いや、映画は見ていないのだけれど。
 そして、それらを包み込むように(現実には包み込めないのだろうが)、祈りとして主人公(やりまくってる方)の母の原田美枝子(おれの好きな俳優の一人)の助産院があって、生命というものとその誕生を祝福するのだ、願うのだ。
 この三つの世界というか視点というものが重なりあって……少し長いかな(最近、映画の感想というとこればかりだ。集中力がなくなっているのかな)とは思うものの、なかなかいい映画じゃねえのと、思った。とはいえ、年上の女性との関係というものが出てくると、おれのなかでなんらかのバイアスがかかるので、なんとも言えねえよ、となる。なんとも言えねえが、高校生の若い性のガツガツしたところも、「団地」もガシっと描かれていて、やっぱりなんだ、「ふつうに良かった映画」というところにしておこう。……「ふつうに」ってなにか失礼な感じがするな、しかし。

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 ひょっとしたら映画を観ているんじゃあないかと思ったけど、検索したら漫画の感想しか出てこなかった。映画も、いずれ。

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

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 原作小説は未読。